私、産まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯をつかい。
姓は車、名は寅次郎。
人呼んでフーテンの寅と発します。
国民的映画の男はつらいよのオープニングで流れる有名なセリフですね。
観た事がない方でも、「フーテンの寅さん」が主人公ということは知っているでしょう。
私は「男はつらいよ」が大好きです。
DVDを借りたり買ったり、またはテレビで放送されたのを録画しては何度も観ています。
過去に観たことがあるシリーズも何度も観ます。しかし全然飽きません。
私が考える「男はつらいよ」の魅力は、大きく分けて2つあります。
寅さんの所作や言動
「男はつらいよ」には所々に笑わせる要素が詰まっているのですが、とりわけ楽しいのが寅さんの行動や言葉。
ヘタなお笑い芸人よりはよっぽど楽しいんです。
たとえば、ノイローゼで自殺未遂をはかった青年(柄本明)に優しくしてあげた事で、その青年から懐かれてしまった寅さん。
寅:お前、これからどこに行くんだ。
青年:寅さんの行くところでしたら、どこでも良いです。
寅:そうは言ってもよ。。行きてぇとこがあるだろう?どこだ。ん?
青年:あることはあるんですが、少し遠いんです。
寅:いいよ、構わねえ。言ってみな。どこに行きてぇんだぃ?
青年:ウィーンです。
寅:ほー、由布院(ゆふいん)か。遠いなぁ。
青年:いいえ、ウィーンなんです。
寅:うん。由布院だろ?九州のな。知ってるよ。遠いよな。
このやりとり一つとっても笑えます。
これは、第41作目の「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」で、シリーズ唯一の海外ロケをした作品。マドンナ役は竹下景子です。
上記のようなやりとりからウィーンに行く羽目になった寅さん。
海外の街を一人ブラブラしていると、日本人ツアー団体と遭遇。
ツアーガイド(竹下景子)が、寅さんのことをツアー客だと勘違いして、「早く!急いで下さい!」と急かし、寅さんは「はい」と返事をして付いて行ってしまう・・・というシーンも笑えます(笑
また、第34作目の「男はつらいよ 寅次郎真実一路」では、寅さんが焼鳥屋で飲み食いしてお金が足りなくなり、さくらにお金の無心で電話をしたら断わられてしまったというシーンがありました。
あやうく無銭飲食になるところを、その場にいた見知らぬ証券会社の課長がおごってくれ、そのお返しとして後日寅さんが飲みに誘いました。
居酒屋で酔っぱらいながら談笑する二人。
その課長さんの出身地である鹿児島県枕崎市の話題で盛り上がっています。
課長:「枕崎(まくらざき)」知ってるか?
寅:知ってる知ってる。「枕さがし」知ってるぞー。
第24作目の「男はつらいよ 寅次郎春の夢」では、とらやにアメリカ人のマイケルが下宿することになり、「マイケル」という発音が「マイコゥ」だから、みんなは「マイコさん」と呼んでいましたが、寅さんは間違えて「ゲイシャ(芸者)」と呼んでしまいました。
他にも、高級酒「ナポレオン」のことを「ワシントン」と言ったり、北海道の「カムイワッカ」のことを「カムチャッカ」と言ってしまったり。
博との会話でも笑えるシーンがありました。
寅:おい博、お前はどう思うんだよ。
博:ナンセンス。
寅:なにぃ?「なんですぅ?」。お前、今の話を聞いていなかったのか?
こういう言葉の笑いだけでなく、動作で笑えるシーンも本当にたくさん。
代表的なシーンは、第1作目の「男はつらいよ」のオープニング。
寅さんが土手のショートゴルフ場を突っ切る際に、グリーンの上を転がって今まさにカップインしそうなボールを親切のつもりでキャッチしてしまい、「お礼はいらないよ」という顔でゴルファーにボールを投げ返すシーン。
山田洋二監督は、映画を観ていたお客さんがこのシーンでワッと沸いたのを見て、「これはいける!」と手ごたえを感じたとか。
とにかくとにかく、笑えるシーンを挙げたらキリがないのです。
不思議な安心感がある
男はつらいよのストーリーの多くは、「寅さんがマドンナに惚れるけれど結局フラれ、そしてまた旅に出てしまう」というものです。
フラれるといっても、寅さんが告白して断られたり、交際にまで発展してから別れを告げられたりという事ではありません。
いつも寅さんの片想いで終わってしまうのです。
一例を挙げると・・・
惹かれている彼女の為に親身になってあげる。
両者とも良い雰囲気になる。寅さんもウキウキだ。
ある日、「寅さん、ちょっと相談があるんだけど」などと言われ、ニコニコ顔で「うん、なんだい?何でも言ってごらんよ」と返事をすると・・・
マドンナ:私、プロポーズをされているんだけどね、どうしようか迷っているの・・・。
そこで、サーっと顔色が変わる寅さん。
寅:プ、プロポーズって・・・だ、誰から?
そこで自分の恋が終わったことを悟る寅さん。
で、最後は決まって旅に出てしまいます。
「フラれて傷心で旅に出る」というと、何とも寂しく悲しいエンディングのように思うかもしれませんね。
しかし、物語の最後の最後の演出。
フラれた悲しさが上手くフォローされて、なぜかハッピーエンドのような終わり方なのです。
何とも言えない後味の良い、温かい雰囲気で終わる。
この辺は山田監督の絶妙な演出ですね。
これがあるから、不思議な安心感があるのですね。
現在、BSテレ東で「やっぱり土曜は寅さん!」と題して、毎週土曜日の18:30から全シリーズ放送しています。
この「土曜は寅さん」は私の知る限りでは今回で3度目です(笑
それだけ国民に愛されている映画ということですね。
BS放送は建物にチューナーが付いていれば無料で観ることができます。
マンションには付いている事が多く、テレビリモコンの「BS」ボタンを押せば観れるかどうか確認できますよ。
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