【2026年版】野毛「村田家」でくじら料理を食べ比べ!刺身・ベーコン・さえずり・フライを実食

またまた横浜の飲み屋街、「野毛」へ行ってきました。

もちろん今回も、野毛でよく一緒に飲んでいる友人と一緒です。

野毛といえば、焼き鳥、もつ焼き、刺身、立ち飲み、昼飲み。

飲兵衛が喜びそうな要素を、狭い街の中へ可能な限り詰め込んだような場所です。

ところが、何度も通っている私でも知らなかった名物がありました。

それが「くじら料理」です。

かつて野毛では、くじら料理を提供する約30店が参加した「野毛くじら横丁」という町おこし企画が行われていました。

野毛には何度も来ていますが、くじらまで名物だったとは知りません。

飲み屋の数が多すぎて、街の得意料理を把握するだけでも時間がかかります。

今回は焼き鳥やもつ煮の誘惑を振り切り、くじら料理を目当てに野毛へ潜入してみます。

 

野毛の「くじら横丁」とは?

「くじら横丁」と聞くと、くじら料理店ばかりが並ぶ特定の通りを想像するかもしれません。

しかし、実際には1本の道路だけを指す名称ではありません。

2009年、野毛の新たな名物を作って地域を盛り上げようと、日本料理店、居酒屋、寿司店、酒場、イタリアンバールなど約30店が参加して始まった取り組みです。

参加店では、刺身や竜田揚げなどの定番料理だけでなく、それぞれが工夫したくじら料理を提供していました。

当時、野毛には約500軒もの飲食店があったとのこと。

その中の30店と聞けば多く感じますが、全体から見ると16~17軒に1軒ほど。

何も調べずに歩いて見つけようとすると、意外に難しい割合です。

野毛でくじら料理が名物になった理由

横浜では戦後、闇市などでくじらカツをはじめとするくじら料理が食べられていました。

牛肉や豚肉が現在ほど身近ではなかった時代、くじら肉は貴重なたんぱく源。

学校給食でくじらの竜田揚げを食べた記憶がある方もいるでしょう。

そのような横浜とくじらの歴史を、野毛の新しい名物として復活させようとしたのが「野毛くじら横丁」でした。

つまり、流行に乗って突然くじらを泳がせたわけではありません。

昔の横浜の食文化を、酒場の街らしく料理とお酒でよみがえらせた企画なのです。

「鯨マップ」を探したものの見つからない

当時は、くじら料理を提供する参加店を掲載した「鯨(Gei)マップ」が無料配布されていたそうです。

JR桜木町駅の野毛口周辺へ行けば手に入るという情報を見かけました。

ところが、実際に探してみても、どこで配っているのか分かりません。

駅の周辺をウロウロしましたが、地図を探すための地図が欲しくなる状態です。

結局、鯨マップの入手は断念。

いつもの野毛飲みと同じく、街をブラブラ歩きながら店を決めることにしました。

くじらののぼりを目印に店探し

くじら料理を提供する店には、鯨のマークが入ったのぼりや表示が出ていました。

そこで、それらを目印に店を探します。

店の外観。

店内の混雑具合。

くじら料理の種類。

そして、やはり気になる価格。

店先でメニューを確認しながら、何軒か見て回りました。

居酒屋選びは、内装、料理、値段、空席の総合競技。

最終的には、店の前に立った瞬間の「ここでいいんじゃない?という直感が、大半を決めます。

選んだのは野毛の老舗「村田家」

今回選んだのは、野毛町にある「村田家(むらたや)」さん。

くじら料理だけでなく、イワシ料理、刺身、天ぷら、ふぐ料理なども楽しめる昔ながらの海鮮料理店です。

【村田家】横浜市中区野毛町2-65

JR桜木町駅からは徒歩約5分。

京急線の日ノ出町駅からも、徒歩約5分です。

野毛の飲み歩きエリアの中心にあり、1軒目にも2軒目にも利用しやすい場所。

もっとも、料理の品数が多いため、1軒目で来ると、そのまま腰を据えてしまう可能性があります。

年季を感じる老舗らしい外観

こちらが村田家の外観です。

なかなか味がありますね。

派手なネオンサインや、若者向けの横文字はありません。

看板、のれん、店構えのすべてから、長年この場所で営業してきた雰囲気が伝わります。

初めて入る際には少し緊張するかもしれません。

しかし、野毛では外観に年季が入っているほど、料理への期待が高まることもあります。

建物が古いからおいしいとは限りませんが、少なくとも壁は何千回もの乾杯を見届けています。

カウンターから座敷まで席数は豊富

店内にはカウンター席、テーブル席、座敷があります。

私たちは、ゆったりした座敷へ案内されました。

外観から想像していたより、店内は広め。

1人ならカウンターで軽く飲み、複数人なら座敷で料理を囲めます。

2026年現在の店舗情報では、総席数は約60席。

2人から利用できる個室もあると案内されています。

野毛の小さな酒場を想像して入ると、奥から次々に席が現れるので少し驚きます。

くじらの前にイワシ料理を注文

くじらを食べに来たのですが、メニューを見るとイワシ料理もかなり充実しています。

刺身、たたき、塩焼き、天ぷら、フライ、つみれ。

イワシだけで小さな専門店が開けそうな品ぞろえです。

くじら目当てで来たとはいえ、イワシのメニューを無視するのも惜しい。

まずはイワシの刺身を注文しました。

イワシの刺身は脂が乗ってトロトロ

イワシの身には脂がしっかり乗っています。

口へ入れると、舌の上でトロリ。

青魚特有の旨味と脂の甘さが広がります。

そこへ生姜醤油。

これが合わないわけがありません。

くじら料理が本日の主役ですが、最初からイワシがかなり良い仕事をしています。

前座のつもりで呼んだ選手が、いきなり会場を沸かせてしまいました。

くじら料理は種類が豊富

それでは、いよいよくじら料理へ進みましょう。

メニューを見ると、くじらの刺身、ベーコン、竜田揚げ、フライ、燻製など、さまざまな料理が並んでいます。

あまり食べる機会のない料理なので、どれを選ぶべきか迷います。

刺身だけでは、加熱したくじら肉の味が分からない。

フライだけでは、刺身やベーコンも気になる。

こういうときに便利なのが、少量ずつ食べ比べられるセットです。

「くじらお試しセット」を注文

どの料理も気になるため、「お試しセット」を注文しました。

訪問時のセット内容は、次の4種類。

・くじらの刺身

・くじらベーコン

・くじらの燻製

・くじらフライ

生、加工、燻製、揚げ物。

くじら肉の基本的な食べ方を、一度に体験できる構成です。

初めて食べる方にとっては、くじら料理の入門セット。

学校なら体験授業ですが、こちらは日本酒を付けられます。

くじらの刺身とベーコンが登場

まず運ばれてきたのは、刺身とベーコン。

同じくじら肉でも、色も見た目もまったく違います。

赤身の刺身は肉料理らしく、ベーコンは脂身と赤身の層が特徴的。

魚料理を頼んだというより、海で暮らしている動物の肉を食べる料理なのだと、改めて実感します。

くじらの刺身は馬刺しに似た見た目

まずは、くじらの刺身から。

深い赤色で、見た目は馬刺しに似ています。

赤身中心で脂は少なめ。

魚の刺身というより、肉の刺身を食べている感覚です。

訪問時はかなり冷たく、解凍したばかりだったのかもしれません。

少し温度が上がると、赤身の味がより分かりやすくなりそうです。

にんにくや生姜などの薬味と醤油を合わせると食べやすく、酒のつまみに向いています。

くじら肉は魚ではなく哺乳類の肉

くじらは海で暮らしていますが、魚類ではなく哺乳類です。

そのため、肉の色や食感はマグロよりも馬肉や牛の赤身に近く感じます。

部位や調理法によっては独特の香りがありますが、赤身は比較的さっぱり。

高たんぱくで脂質が少ない部位もあり、現在では珍味や郷土食として楽しまれています。

海鮮居酒屋のメニューに並んでいても、味覚としては肉料理寄り。

海と陸の分類を、食卓の上で少し迷わせてくる食材です。

くじらベーコンを食べてみる

続いて、くじらベーコン。

赤い縁と白い脂の層が目を引きます。

一般的な豚ベーコンとは、見た目も食感もかなり違います。

くじらベーコンには、主に畝須(うねす)と呼ばれる、下あごから腹部にかけての部分が使われます。

白い部分はコリコリ、またはクニュッとした独特の歯応え。

赤身部分には、くじら肉らしい旨味があります。

酢味噌やからしを付ける食べ方も定番。

噛むほどに味が出るので、少量でも酒が進みます。

希少部位「さえずり」も注文

さらに、「さえずり」も注文しました。

さえずりとは、くじらの舌の部分です。

鳥でもないのに「さえずり」と呼ぶのが少し不思議ですが、昔から使われてきた料理名。

舌なので、牛肉でいえばタンに当たる部位です。

くじら1頭から取れる量が限られるため、希少部位として扱われています。

見た目は脂が多そうですが、ゼラチン質を含んだ独特の食感。

口へ入れると柔らかく、脂の旨味が広がります。

くじらの舌を食べながら、こちらも味の感想を語る。

店内では、人間とくじらの舌が忙しく働いています。

くじら料理には熱燗が合う

くじらベーコンやさえずりを食べていると、日本酒が欲しくなります。

ここで熱燗へ移りました。

冷たい刺身には冷酒も合いますが、脂や燻製の香りを楽しむなら熱燗もよいですね。

口の中に残った脂を、温かい日本酒がゆっくり流してくれます。

昔ながらの座敷で、くじら料理と熱燗。

飲み屋街の野毛らしい組み合わせです。

ここまで来ると、最初に飲んでいた物へ戻る理由はほとんどありません。

お試しセットの燻製らしき料理

くじらお試しセットの続きです。

こちらは、セットに含まれていた燻製だと思われます。

上からタレがかかっていて、表面には照りがあります。

なかなかの肉厚。

薄く切った燻製ではなく、しっかり噛んで味わう大きさです。

タレの風味が強いためか、訪問時にはスモーク感はそれほど強く感じませんでした。

赤身肉に甘辛い味を付けた、酒のつまみらしい料理です。

燻製の香りを探しているうちに、タレが先にゴールしてくる味でした。

ボリュームのあるくじらフライ

最後は、くじらフライです。

想像していたより量が多い。

皿の上には、揚げ物が山盛りになっています。

ただし、よく見ると緑色の物体も混ざっています。

くじら肉の部位にしては、ずいぶん鮮やかな緑色。

これはピーマンですね。

そのほかの野菜フライも入っていました。

すべてがくじらではありませんが、それでもくじらのフライは4切れほど。

お試しという名前から少量を想像していましたが、揚げ物部門だけ少し本気です。

くじらフライはからしだけでいただく

くじらフライは、醤油を付けずにからしだけで食べてみます。

衣は香ばしく、中のくじら肉はしっかりした食感。

刺身よりも肉らしさが分かりやすく、赤身肉のフライを食べている感覚です。

からしの刺激が、衣の油とくじら肉の風味によく合います。

ソースや醤油を付けてもおいしそうですが、まずはからしだけで十分。

学校給食でくじらの竜田揚げを食べていた世代には、懐かしさを感じる味かもしれません。

刺身・ベーコン・燻製・フライは味がまったく違う

お試しセットを食べてみると、同じくじらでも料理によって印象が大きく異なりました。

刺身:さっぱりした赤身で、馬刺しに近い印象

ベーコン:脂と赤身の層、独特の歯応え

燻製:肉厚で、タレの効いた酒のつまみ

フライ:加熱した赤身肉らしい食べ応え

くじら肉を初めて食べる場合、1品だけでは好みを判断しにくいかもしれません。

刺身が苦手でもフライは好き。

赤身よりベーコンやさえずりが好み。

食べ方によって味も食感も変わるため、少しずつ試せるセットは便利でした。

くじら料理はクセがある?

くじら肉には独特の風味があります。

特に、解凍状態や部位、血抜き、調理方法によって印象が変わりやすい食材です。

赤身の刺身は馬肉に近く、比較的あっさり。

ベーコンやさえずりは脂やゼラチン質が多く、好みが分かれるかもしれません。

初めてなら、フライや竜田揚げなど加熱した料理から試すのもよいでしょう。

衣やタレがくじら特有の香りを和らげてくれるため、食べやすくなります。

最初から希少部位だけで攻めるより、入門編から始めるほうが平和です。

現在の「くじら横丁」はどうなっている?

「野毛くじら横丁」は、2009年に約30店が参加してスタートした町おこし企画です。

ただし、2026年現在も当時と同じ30店すべてが参加し、同じ鯨マップが配布されているとは確認できませんでした。

飲食店の閉店や移転、メニュー変更もあるため、古いマップをそのまま頼りにするのは難しいでしょう。

一方で、現在も野毛には、村田家や鯨料理専門店など、くじら料理を食べられる店があります。

かつてのように、街中ののぼりを数えながら探すより、訪問前に最新の店舗情報を確認するのがおすすめです。

地図なしで歩き回る方法も野毛らしくて楽しいですが、空腹時には判断力が急速に低下します。

村田家ではランチ営業も実施

村田家は夜の居酒屋営業だけでなく、ランチ営業も行っています。

昼は刺身や魚料理を使った定食を、比較的手頃な価格で楽しめます。

2026年現在の店舗情報では、ランチの予算は1,000円前後から。

昼は定食、夜は刺身や天ぷら、くじら料理をつまみにお酒。

同じ店でも、時間帯によって使い方を変えられます。

昼食のつもりで入って、そのまま夜まで飲むのはおすすめしません。

営業の間に、店側の休憩時間が入ります。

くじら料理は事前確認がおすすめ

くじら料理の内容や価格は、仕入れや時期によって変わる可能性があります。

この記事で紹介している「お試しセット」が、現在も同じ名前・同じ内容で提供されているとは限りません。

特に、さえずりなどの希少部位は、いつでも必ず入荷するとは限らないでしょう。

くじら料理を目当てに訪れる場合は、予約時に次の点を確認しておくと安心です。

・現在提供しているくじら料理

・お試しセットの有無と内容

・希望する部位の入荷状況

・最新の価格

店へ着いてから、くじらがすべて海へ帰っていることに気付くより確実です。

予約と支払い方法

村田家は電話で予約できます。

座敷や個室を希望する場合、週末や複数人で利用する場合は、事前予約がおすすめです。

2026年現在の店舗情報では、クレジットカードとPayPayに対応。

電子マネーは利用できないと案内されています。

決済方法は変更される可能性があるため、念のため現金も用意しておくと安心です。

熱燗を追加するたびに、財布の中身まで温かくなるとは限りません。

2026年版・村田家の店舗情報

店舗名:村田家(むらたや)

住所:神奈川県横浜市中区野毛町2-65

電話番号:045-231-3619

アクセス:JR桜木町駅から徒歩約5分、京急日ノ出町駅から徒歩約5分

月・火・土の営業時間:11:30~13:45、17:00~21:30

水・木・金の営業時間:11:30~13:45、16:30~21:30

定休日:日曜日

予約:可能

席数:約60席

座席:カウンター、テーブル、座敷、個室

主な料理:くじら料理、イワシ料理、刺身、天ぷら、ふぐ料理など

支払い:クレジットカード、PayPay利用可能。電子マネー不可

営業時間、定休日、料理の内容、価格、支払い方法は変更される場合があります。

訪問前に電話で最新情報をご確認ください。

遠くなっても落ち着く野毛飲み

念願だった野毛のくじら料理を、刺身、ベーコン、さえずり、燻製、フライと幅広く味わえました。

くじらだけでなく、最初に注文したイワシの刺身も絶品。

魚料理が充実した昔ながらの酒場で、ゆっくり飲めたのもよかったです。

私は前年、野毛から遠い場所へ引っ越しました。

一緒に飲んでいた友人も、鶴見から東京都内へ引っ越しています。

以前のように、気軽に野毛へ集合できる距離ではなくなりました。

それでも、たまに訪れると落ち着くのが野毛です。

新しい店が増えても、昔ながらの酒場が残り、少し路地へ入れば独特の空気があります。

家から遠くなった分、お酒を飲みすぎないよう自然とセーブするようになりました。

飲酒量の調整を自制心ではなく、帰宅距離に任せる方法です。

翌日の体には、こちらのほうがよいのかもしれません。

まとめ|野毛で多彩なくじら料理を食べるなら村田家

横浜・野毛の老舗海鮮料理店「村田家」で、くじら料理を食べ比べました。

訪問時のお試しセットでは、刺身、ベーコン、燻製、フライの4種類を少しずつ楽しめました。

さらに希少部位のさえずりも注文。

同じくじら肉でも、赤身、脂、ゼラチン質、加熱方法によって味と食感が大きく変わります。

刺身は馬肉に似たさっぱりした赤身。

ベーコンは脂と赤身の独特な食感。

フライは肉らしい食べ応えがあり、初めてでも比較的食べやすい料理でした。

また、村田家はくじら専門店ではなく、イワシ料理や刺身、天ぷらなども豊富。

くじらが苦手な同行者がいても、それぞれ好きな料理を選べます。

「野毛くじら横丁」は2009年に始まった町おこし企画で、現在は当時と店舗状況が変わっています。

それでも野毛には、今もくじら料理を味わえる店が残っています。

いつもの焼き鳥やもつ焼きとは少し違う野毛飲みを楽しみたい方は、くじら料理を目的に歩いてみてください。

ただし、店を探しながら歩いている途中には、強力な焼き鳥の煙や立ち飲み屋の呼び込みが待ち構えています。

無事にくじらまでたどり着けるかどうかは、空腹時の意志の強さにかかっています。



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