「川床」と聞くと、京都の鴨川を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
川のせせらぎを聞きながら食事を楽しむ、夏の風物詩ともいえる特別な空間。
関東に住んでいるとなかなか京都まで足を運ぶ機会はありませんが、実は身近な場所でも川床を体験できるお店があります。
それが、箱根湯本にある牛鍋専門店「牛なべ右近」さんです。
箱根の自然に囲まれた須雲川沿いで、川の流れを眺めながらいただく牛鍋。
普段のランチとは少し違う、贅沢な時間を過ごすことができます。
箱根湯本の牛鍋店「牛なべ右近」の場所・アクセス
【牛なべ右近】
神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋185-5
牛なべ右近は箱根湯本駅から車で約5分ほど。
徒歩の場合は約15分ほどの距離です。
今回は車で訪問しました。
駐車場は全部で6台分あります。
お店正面に向かって右側に2台分、さらに道路を挟んだ向かい側に4台分のスペースがあります。
ちなみに、お店正面左側にも広い駐車場がありますが、こちらは牛なべ右近さんの駐車場ではないため利用できません。
入口には迫力ある牛のオブジェがお出迎え
お店に到着すると、入口でまず目に入るものがありました。
それがこちらの牛の模型。
なんだか威嚇されているかのよう。
牛なべ右近の主役は、その名の通り牛鍋。
国産黒毛和牛を使用しているということで、入店前から期待が高まります。
暖簾をくぐると、右側には待合スペースがあります。
そして左側には、たくさんの風鈴が並んでいました。
小田原風鈴の音色が迎えてくれる入口
こちらは小田原風鈴というもの。
鈴の形は4種類あり、それぞれ音色が違います。
個人的には「松虫形」の音が気に入りました。
涼しげな風鈴の音を聞いていると、これから始まる食事への期待がさらに高まります。
ちなみに、このあと箱根のお土産屋さんで自分用に買って帰ろうと思ったほど気に入りました。
暖簾の奥にある扉を開けると、靴を脱ぐスペースがあります。
そして正面には大きな太鼓が置かれていました。
この太鼓、ただの飾りではありません。
実際にお客さんの案内に使われています。
スタッフが、
「太鼓の音でご案内させていただきます」
と言った直後……
ドドン!
そして、
「殿さまと姫さまのおなーりー!」
という掛け声。
どうやら来店したお客さんを店内スタッフへ知らせる合図のようです。
ちなみに「姫さま」と呼ばれたのは、もちろん我が家の奥さんです(笑)
お店の外観を見た時は「意外とコンパクトな建物なのかな?」と思いましたが、中に入ってみると想像以上に広く感じます。
そして何より、店内がとても綺麗。
和の雰囲気を大切にしながら、清潔感のある落ち着いた空間になっています。
箱根唯一の川床へ!須雲川を眺めながら食事を楽しむ
今回のお目当ては、もちろん牛鍋だけではありません。
もうひとつの目的は、箱根では珍しい川床です。
案内される場所を目指して店内を進んでいきます。
窓際にある扉を開けると……
目の前には川。
ここが牛なべ右近さん自慢の川床です。
流れているのは須雲川。
これは良い眺めです。
川の流れる音を聞きながら食事ができるというだけで、普段のランチとはまったく違う特別感があります。
訪問したのは夏でした。
川床というと「涼しそうだけど、暑くないのかな?」と思いますよね。
しかし、実際に座ってみると意外にも快適でした。
川床にはポータブル冷風機のような設備が何台か置かれていて、涼しく過ごせる工夫がされています。
これなら暑い時期でも安心して食事を楽しめそうです。
ただ、これから目の前に熱々の牛鍋が登場するわけです。
「さすがに鍋料理が始まったら暑くなるのでは?」
そんな心配も少しありました。
川床には風鈴も飾られています。
こちらは確か鈴虫形の小田原風鈴だったと思います。
風鈴についている細長い紙の部分は「短冊」と呼ばれるものですね。
その模様を見ると、箱根らしく寄木細工を思わせるデザインになっています。
川床の屋根部分は透明になっているため、雨の日でも利用できます。
天候を気にせず川沿いの雰囲気を楽しめるのは嬉しいですね。
さらに冬になると、なんとテーブルがこたつ仕様になるそうです。
夏は涼しい川床、冬はこたつで温まりながら牛鍋。
季節によって違う楽しみ方ができるのも魅力ですね。
ちなみに、周囲には木々や水辺が多いためでしょうか。
食事を待っている間、川床にオニヤンマがやってきました。
都会ではなかなか見る機会のない貴重なオニヤンマ。
牛鍋を食べる前に、思わぬ自然との出会いがありました。
牛なべ右近の特撰コースをいただきます
さて、いよいよ料理の時間です。
今回注文したのは特撰コース。
こちらがメニューです。
ここから料理を写真と一緒に紹介していきます。
まず最初に登場したのは、豆乳と自然薯のすり流し。
冷製スープのような一品です。
冷たくて優しい味わい。
これから始まる牛鍋への期待を高めてくれる、上品な一品でした。
そして、いよいよ牛なべの登場です。
お店の方が目の前でお椀に自然薯を入れ、卵を割り入れてくれました。
これを混ぜ合わせて、牛なべにつけるタレを作ります。
しかし、さすがは自然薯。粘りがとても強く、普通に混ぜようとしてもなかなか馴染みません。
箸でお椀の中を円を描くようにぐるぐる回していくと、ほどよく混ざり合いました。
牛なべは、お店の方が丁寧に調理してくれます。
その前に、これから焼かれるお肉を見せていただきました。
見るからに美しいお肉です。
使用されているのは国産黒毛和牛の肩ロース。
きめ細かなサシが入っていて、これだけでも期待が高まります。
牛なべは炭火で調理されます。
ガスではなく炭火というところにも、こだわりを感じますね。
まずは、お肉を一人2枚ずつ焼いていただきました。
それでは、いただきます。
……柔らかい。
口に入れると、牛肉の旨味が広がります。
自然薯入りの卵につけることで、まろやかさが加わり、さらに食べやすくなっています。
割り下は少し甘めの味付け。
この甘辛い味が牛肉との相性抜群です。
続いて、野菜も鍋に加えていただきます。
牛肉だけではなく、野菜にも牛の旨味が染み込んでいきます。
料理をしてくださるスタッフさんとの会話も楽しく、食事だけでなく、その時間そのものを楽しめる雰囲気でした。
こういった距離感の近い接客も、右近さんの魅力のひとつですね。
ここで、ご飯と汁物、香の物が運ばれてきました。
ご飯は白米とトウモロコシご飯のどちらかを選ぶことができます。
今回はトウモロコシご飯をいただきました。
ほんのり甘いトウモロコシの風味があり、牛なべの濃厚な味わいともよく合います。
最後まで飽きることなく楽しめる、優しい味でした。
そして食事の締めくくりはデザート。
山梨から取り寄せているという桃です。
シロップ漬けされた桃は甘く、食後にぴったりのさっぱりとした味わいでした。
川のせせらぎを聞きながら、風鈴の音を楽しみ、目の前で仕上げてもらう牛なべを味わう。
料理だけではなく、空間や雰囲気も含めて楽しめるのが「牛なべ右近」さんの魅力だと感じました。
夏の川床というと暑さが気になるところですが、実際には冷風機と川からの風もあり、快適に過ごすことができました。
炭火の牛なべが登場しても、想像していたほど暑さは気になりませんでした。
箱根でちょっと特別なランチを楽しみたい時には、ぜひ候補に入れたいお店です。
次に訪れるなら、冬の川床も体験してみたいですね。
雪景色を眺めながら、こたつに入り、温かい牛なべをいただく……。
そんな贅沢な時間も、きっと素敵な思い出になりそうです。











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