暑い夏には、見た目から涼しくなれる料理が食べたくなります。
冷やし中華やざるそばもよいですが、今回はもう少し「和」を感じられる、珍しい冷製つけ麺を食べに行ってみました。
お店は東京都世田谷区玉川にある「鮎ラーメン」さん。
店名からして、鮎への愛情が隠れる気配はありません。
むしろ入口に到着する前から、全力で鮎が泳いできます。
【鮎ラーメン】世田谷区玉川3-15-12玉川3丁目マンション102
東急田園都市線・大井町線の二子玉川駅から徒歩約5分。
近くには多摩川が流れ、都会でありながら水辺の雰囲気も感じられる場所です。
鮎を食べる店としては、なかなか似合う立地ですね。
外観から伝わる鮎への本気度
こちらがお店です。

看板には大きく「鮎ラーメン」。
何を出す店なのか、説明を読むまでもありません。
外観からも鮎への愛情がしっかり伝わってきます。
ここまで鮎を前面に押し出しておいて、店内で豚骨ラーメンが出てきたら相当な裏切りですが、その心配は不要です。
店内ではサザンが流れていた
店へ入ると、サザンオールスターズの「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」が流れていました。
サザンの曲の中でも、私がかなり好きな1曲です。
夏、鮎、冷たいつけ麺、そしてサザン。
舞台設定が妙に整っています。
その曲が終わると、今度は原由子さんの曲。
さらに次もサザン。
どうやらアルバム「キラーストリート」を流していたようです。
店主がサザン好きなのでしょうか。
それとも夏なので、とりあえずサザンを流しておけば季節感は完成するという判断でしょうか。
どちらにしても、夏限定メニューを待つBGMとしては申し分ありません。
夏限定の「鮎涼ラーメン」が目当て
この店の看板商品は、もちろん鮎ラーメンです。
しかし、今回の目的は通常メニューではありません。
夏の昼間だけ提供される「鮎涼ラーメン」です。
鮎の文字に、涼しいの「涼」。
商品名だけでも体感温度が少し下がりそうですね。
実際には二子玉川駅から歩いて汗をかいているので、気分だけでは追いつきません。
鮎が丸ごと1匹載った冷製つけ麺
こちらが、鮎涼ラーメンです。

どうでしょう、この鮎の存在感。
つけ麺の具として魚が載っているだけでも珍しいのに、丸ごと1匹です。
麺料理の上に鮎が横たわっているというより、鮎が麺を従えて登場したようにも見えます。
訪問当時の説明では、価格のかなりの割合を鮎が占めているとのことでした。
そりゃそうでしょう。
脇役の顔をした値段ではありません。
鮎は香ばしい一夜干し
載っているのは、カリッと香ばしく焼き上げた鮎の一夜干し。
表面はしっかり焼かれ、香ばしい香りが立っています。
この鮎は骨と内臓が丁寧に処理されているため、頭から尻尾まで食べられます。
鮎の塩焼きを食べるときのように、途中で骨を外したり、皿の上で細かく分解したりする必要はありません。
そのままバリバリ。
見た目は優雅な和食ですが、食べ方は意外と豪快です。
鮎の身は香ばしくて食感のアクセントになる
つけ麺は、食べ進めるうちに味や食感が単調になりがちです。
麺をつける。
食べる。
また麺をつける。
終盤になると、作業工程のように感じることもあります。
しかし、鮎涼ラーメンには丸ごとの鮎があります。
麺の合間に身を食べたり、尻尾の香ばしさを楽しんだりできるため、最後まで変化があります。
何より、丼の上で鮎がずっとこちらを見ています。
途中で食べるのをやめる雰囲気ではありません。
つけだれは鮎だしの煮こごり
鮎涼ラーメンの特徴は、鮎だけではありません。
竹の器に入っているつけだれにも注目です。

これは、鮎だしを冷やして固めた煮こごり状のつけだれです。
普通のつけ麺のスープは液体ですが、こちらはジュレに近い質感。
とろみがあるため、麺へしっかり絡みます。
透明感があり、竹の器も涼しげ。
見た目は和風の前菜ですが、中へ麺を投入する準備は万全です。
鮎だしを何時間もかけて作る
鮎涼ラーメンのスープは、鮎、鶏ガラ、香味野菜などを長時間煮込んで作られています。
さらに鮎の焼き干しを加え、鮎の香りと旨味を重ねてから冷やし、煮こごり状に仕上げるそうです。
冷やすことで、鮎の旨味がぎゅっと凝縮。
夏向けの軽い味ではありますが、決して薄いわけではありません。
涼しい顔をして、裏では相当な手間がかかっています。
料理の世界も、涼しげに見える人ほど水面下で必死なのです。
太麺にジュレ状のつけだれがよく絡む
麺は、表面に凹凸のある太めのタイプ。
通常の鮎ラーメンで使う細い縮れ麺とは違い、冷製つけ麺用にしっかり食感を出しています。
煮こごり状のつけだれを絡めると、麺の表面へ鮎の旨味がたっぷり付着。
液体スープのように、器の中へ味が全部置いていかれることがありません。
一度くぐらせるだけで、かなり濃厚に味が絡みます。
つけすぎると麺よりスープのほうが先になくなるので、序盤から全力投球しないほうがよいでしょう。
味が濃ければ冷たい割りスープを追加
鮎涼ラーメンには、土瓶に入った冷たい鮎だしも付いてきます。
これは、煮こごり状のつけだれを好みの濃さへ調整するための割りスープ。
少しずつ加えると、ジュレが溶けて滑らかなつけ汁へ変わっていきます。
最初は濃厚な煮こごり。
途中から軽い冷製スープ。
同じつけだれでも、食べ進めながら味と食感を変えられる仕組みです。
全部を最初に入れると戻せないので、慎重に。
人生と割りスープは、少しずつ様子を見るのが大切です。
鮎フレークが載った小ライスも付く
写真では隠れていますが、丼の奥には小さなご飯も付いていました。
その上には鮎のフレーク。
麺を食べ終えたあとも、まだ鮎が続きます。
ラーメン店へ来たはずなのに、鮎のコース料理を食べているようです。
鮎フレークご飯は、そのまま食べてもよし。
残ったつけだれを少し載せてもよし。
さらに、土瓶の冷たい鮎だしを注げば、冷やし茶漬けとして楽しめます。
最後は冷たい鮎茶漬け
個人的に気に入ったのが、この冷たいお茶漬け。
鮎フレークご飯へ冷たいだしを注ぐと、麺とはまったく違う締めになります。
さらさら食べられ、鮎の香りもしっかり感じられます。
つけ麺を完食したあとにご飯まで付くと、少し重そうに見えるかもしれません。
しかし、冷たいだし茶漬けなので意外と軽い。
満腹なのに食べられるという、胃袋にとって少々危険な設計です。
鮎涼ラーメンの3つの楽しみ方
鮎涼ラーメンは、1杯の中で複数の楽しみ方ができます。
1.煮こごり状のつけだれで麺を食べる
最初は濃厚な鮎の旨味を、そのまま楽しみます。
2.冷たい鮎だしを加えて味を調整する
少しずつ割りスープを入れ、軽い味へ変化させます。
3.鮎フレークご飯を冷やし茶漬けにする
最後はご飯で締めます。
もちろん、途中で鮎の一夜干しを食べる工程もあります。
食べ方が多いので、初見では少し忙しい。
ただのつけ麺だと思って油断すると、卓上で鮎の作戦会議が始まります。
2026年も夏のランチ限定で提供
鮎涼ラーメンは、2026年も夏季限定で提供されています。
基本的な提供期間は、毎年GW頃から9月末頃まで。
さらに、昼営業だけの季節メニューです。
秋になってから、
「夏の記事を読んで食べたくなった」
と店へ行っても、通常の鮎ラーメンへ季節交代しています。
鮎涼ラーメンは、夏休みの宿題と同じ。
9月末までに行動しないと終わってしまいます。
2026年の価格は1,800円
2026年7月に確認された店頭メニューでは、鮎涼ラーメンは1,800円でした。
一般的なラーメンやつけ麺と比べると、少し高めに感じるかもしれません。
ただし、丸ごとの鮎の一夜干し、鮎だしの煮こごり、割りスープ、鮎フレークご飯まで付いています。
単なる麺料理ではなく、鮎をさまざまな形で味わうセットと考えると、内容はかなり充実しています。
鮎が1匹入っているのに、チャーシュー麺と同じ価格を求めるのは、鮎側にも少し酷でしょう。
昼と夜で提供メニューが違う
鮎ラーメン二子玉川本店では、昼と夜で提供されるメニューが異なります。
夏の昼は、今回紹介している鮎涼ラーメン。
夜は、温かい通常の鮎ラーメンが中心です。
秋頃からGW頃までは、昼も鮎ラーメンへ切り替わります。
時間帯と季節によって、店の看板メニューが入れ替わる仕組みですね。
夜に鮎涼ラーメンを注文しても、季節と時計の両方に断られます。
売り切れ次第終了なので早めがおすすめ
鮎ラーメンは、売り切れ次第営業終了となります。
特に夏の鮎涼ラーメンは人気が高く、休日には開店前から行列ができることもあるようです。
確実に食べたい場合は、11:30の開店より少し前に到着するのがおすすめ。
14:30まで営業予定だからと、14:20に鮎のような身軽さで駆け込んでも、売り切れている可能性があります。
鮎より早めに行動しましょう。
店内はカウンター7席の小さなお店
店内は、カウンターのみの小さな造り。
席数は7席程度です。
そのため、数組並ぶだけでも待ち時間が発生します。
大人数での訪問には向かず、1人または2人で行くのが利用しやすいでしょう。
予約はできません。
大勢で鮎を囲みたい場合は、店の前で鮎より長い列を作ることになります。
専用駐車場はなし
お店に専用駐車場はありません。
車で訪れる場合は、二子玉川駅周辺や近隣のコインパーキングを利用します。
二子玉川は商業施設が多く、休日は周辺道路や駐車場が混雑しやすい地域です。
駅から徒歩約5分なので、公共交通機関での訪問が便利でしょう。
多摩川散策と組み合わせる場合も、電車なら食後にのんびり歩けます。
支払いはPayPayに対応
2026年時点の店舗情報では、クレジットカードや電子マネーは利用できません。
一方で、QRコード決済のPayPayには対応しています。
念のため、現金も用意しておくと安心です。
鮎を丸ごと食べ終えたあとに、財布の中まですっきり空だったと気付くのは避けたいところです。
2026年版・鮎ラーメン二子玉川本店の店舗情報
店舗名:鮎ラーメン 二子玉川本店
住所:東京都世田谷区玉川3-15-12 玉川3丁目マンション102号
アクセス:東急田園都市線・大井町線 二子玉川駅から徒歩約5分
昼営業時間:11:30~14:30
夜営業時間:18:00~22:00
営業終了:売り切れ次第終了
夏の昼メニュー:鮎涼ラーメン
提供期間の目安:GW頃~9月末頃
秋~春の昼メニュー:鮎ラーメン
定休日:公式サイトでは定休日なし。臨時休業などは公式SNSで要確認
予約:不可
席数:カウンター7席
駐車場:専用駐車場なし
禁煙・喫煙:全席禁煙
支払い:現金、PayPay
鮎涼ラーメン:2026年確認価格1,800円
提供期間、営業時間、価格、臨時休業は変更される場合があります。
訪問前に公式サイトや公式Instagramで最新情報をご確認ください。
まとめ|鮎を余すことなく楽しめる夏のつけ麺
二子玉川の鮎ラーメンで味わった、夏限定の鮎涼ラーメン。
麺の上には、頭から尻尾まで食べられる鮎の一夜干しが丸ごと1匹。
つけだれは、鮎だしを凝縮した煮こごり状のジュレ。
さらに冷たい割りスープと、鮎フレークを載せた小ライスまで付きます。
つけ麺、焼き鮎、冷たい鮎茶漬け。
1回の注文で、鮎の楽しみ方を一通り体験できる内容でした。
竹の器や透明感のあるつけだれも涼しげで、夏にぴったり。
通常のつけ麺とは違い、麺を食べるだけで終わらないため、最後まで飽きずに楽しめます。
そして、店内で流れていたのはサザン。
夏の二子玉川で、サザンを聴きながら鮎の冷製つけ麺。
季節感は完璧です。
ただし、いつ行ってもサザンが流れているかは分かりません。
演歌の日でも、鮎の味は変わらないはずです。
鮎涼ラーメンは夏の昼限定。
興味のある方は、夏が終わって通常の鮎ラーメンへ戻る前に訪れてみてください。

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