このたび、引っ越しをすることになりました。
引っ越しの一番の理由は、家族が増えたので家が狭くなりそうだから。
今はまだ子供たちが小さいから特に問題はないんです。
でも、いずれ引っ越さないといけないことがわかっているから、良い物件が見つかり次第引っ越そう。
そう考えて物件探しを始めたわけですが、マンションから一戸建てまで本当にたくさんの物件を内見してきました。
わたしは独身時代に何度も引越しを経験していますし、宅建士を持っていることもあって、ある程度は不動産取引についてわかっているつもりでした。
しかし、今回家探しを続けるなかで初めて知ったこともたくさんあります。
そんなわたしの経験に基づく「家探しの時に知っておいたほうがいいポイント」を、これから家を買おうとする人にお伝えします。
その前に、まずは家を買うか?借りるか?という問題についてです。
よく聞くのは、
・賃貸ならいつでも好きなときに引っ越すことができる。もし近隣にイヤな住人がいても最悪引っ越せばいい。買ってしまうとそうはいかない
・買うにしても借りるにしてもどこかに住む以上はお金がかかる。それなら買ったほうがおトク
・賃貸のほうが家の管理がラク。修繕費も貸主負担だし
・買ってしまえば住宅ローンを払い終わったら資産になる
・資産は持たずにいつも身軽でいたいから、賃貸のほうがいい
・買ってしまえば、もし自分が死んでも(団信をかけるから)家族に家は残せる
などですね。どれも言っていることはわかります。
その他、不動産投資家からすると・・・
自分の住む家は収入を生まない負債だから、ローンを組んで買うべきではない。住宅ローンを組んでしまうと融資の枠が減ってしまい、収益不動産が買えなくなってしまう。だから、家を買うとしても後回しにするべきであって、基本は賃貸に住むべきだ。
という意見も多く、わたしもそれには概ね賛成です。
ただ、金融機関の融資担当者によっては、たとえ住宅ローンの残債があっても家を買ったという事実が「住宅ローンが通った人=信用できる人」ということで融資にプラスになる場合もあります。
家を買うか借りるかについては、それぞれメリット・デメリットがありますが、どちらが正解かというのはその人のライフスタイルによりますよね。
わたしは、買っても借りても長い目で見れば大きな違いはないと思っています。
買ったとして、住宅ローンを払い終わるまでその家に住まなくてはいけないわけではなく、残債があったとしても売ってしまって賃貸に住むことだってできます。
買ってしまえばいずれ資産になるといっても、30年も住み続ければあちこちガタがきているでしょう。中古で買った場合はなおさらです。
戸建であれば雨漏りやシロアリが発生している可能性も高いです。
そのまま住み続けるにしても貸すにしても売るにしても多額のリフォーム代がかかる。
頑張って住宅ローンを払い終え、やっとお金に余裕が出ると思ったら追加で数百万円必要・・・というのは実際にある話です。
そもそも、いまどきマイホームを持っていても何のステータスにもなりませんし、マイホームを持ったがためにそんな苦労をすることにも疑問を感じます。
そこで、買うか借りるか迷っている人に、わたしから言いたいことがあります。
それは、買う前提、借りる前提で家を探すのではなく、まずは住みたいと思う家を見つけましょう。それが賃貸であれば借りればいいし、売り家であれば買えばいいということです。
そうすれば、どちらにしても後悔は少ないとわたしは思います。
ここから先は、「それでもマイホームを買いたい!」という人には絶対に読んでほしい内容です。
しっかりと読んでくださいね。
目次
マンションは高さのある車は要注意!
わたしが物件を探すときに必須条件なのが、「駐車場つき」です。
子供の保育園送迎に車を使うので、まずは駐車場があるかどうかを一番にチェックしました。
すると、結構あるんですよね駐車場つきの物件。
戸建はほとんどついていますがマンションでも多いです。
じゃあ、駐車場には困らないな。
そう思っていたのが甘かったです。
これは首都圏とか都心部に限るのかもしれませんが、マンションについている駐車場のほとんどが「機械式」なんです。
正確には、平置きの駐車場もあるんですけど満車が多く、空いている駐車場のほとんどが機械式なんです。
そして、機械式の駐車場だと、車の高さ上限が150~160cmが多いんですよね。
うちの車は軽自動車ですが、高さが165cmほどなので機械式駐車場には停められません。
せっかく気に入った物件だったのに、駐車場が理由で断念した・・・という事も実際にありました。
子供を乗せたり下したりするにはスライドドアの車が超便利。でもそれだと高さのある車になってしまう。
仕方なく背の低い車に乗り換えようか本気で考えるほどでしたね。
ですので、駐車場付きで気に入った物件が見つかったら、まずは自分の車が停められるかどうかを確認したほうがいいです。
マンションは毎月返済額プラス3万円くらい多くかかる!
マンションを買うと、修繕積立金と管理費が毎月かかります。
修繕積立金というのは、その名の通りマンションの大規模修繕に備えた積立金で、マンションの全住民(組合員)から毎月徴収します。
管理費というのは、マンション共用部分を維持管理するために必要な費用です。
マンション敷地内の清掃や廊下の電気代や蛍光灯代、エレベーターのメンテナンスなどにもお金がかかりますからね。
この修繕積立金と管理費は、住宅ローンとは別に毎月納めないといけません。
もちろん、住宅ローンを払い終わっても住み続けている以上は払い続ける必要があります。
修繕積立金と管理費の額は、中古マンションなら合わせて3万円前後でしょうか。比較的新しいマンションなら5万円以上する場合もありますね。
これは住宅ローンとは別に払う必要があるので、たとえば毎月の住宅ローンの返済が7万円で修繕積立金と管理費が3万円とすると、毎月10万円の支出ということになります。
マンションを買おうとする場合、住宅ローンの返済額だけを気にして修繕積立金と管理費を見落とす人も結構いるそうなので要注意ですね。
戸建ては修繕積立金がいらないけど・・・
マンションには修繕積立金・管理費が必要ですが、戸建てには必要ありません。
そして、戸建てには駐車場がついているので毎月の駐車料も無料です。
なので、戸建ては修繕積立金・管理費・駐車場代がなく、毎月の支出は住宅ローンだけで済みます。
わたしの感覚では、たとえば3,500万円の戸建てを30年の住宅ローンで買った場合、毎月の支出は2,500万円のマンションと同じくらいかな?という感じがします。
じゃあ、戸建てのほうがいいじゃん。
なんて単純に思わないでください。
マンションは修繕積立金を徴収しつつ、修繕計画に沿って定期的に大規模修繕をします。
外壁塗装や屋上防水工事などをして、何十年間も建物の耐久性を維持しているわけです。
そして、マンションは共用部分がいつも綺麗で住人にとって快適な居住空間になっています。
エントランスのガラスが割れたり、エレベーターが故障したり、廊下の電球が切れたりしてもすぐに復旧するのも管理費を払っているからです。
戸建ては修繕積立金や管理費を払わないということは、それら全ての修繕やトラブルを自費で、かつ自分で対処しなければいけないという事なのです。
現在の戸建ては作りが良く、新築してから10年~20年くらいはメンテナンスフリーという話も聞きます。
何か大きな修繕が発生しても、二昔前のように大工さんがノミとカンナを持って何日もかけて作業をするという時代ではないので、それほど多額の費用はかからないのかもしれません。
とはいえ、外壁と屋根の修理はいつか必ずきますから、そのときまでに修理費用を用意しておかないといけません。
二階建ての戸建てなら、両方で300万円くらいはみておきたいところ。
マンションはやはり地震や火災、水害に強い!
日本は地震大国です。
阪神大震災や東日本大震災では多くの家屋が倒壊しました。
今後も南海トラフ地震や首都圏直下型地震がくると言われていますし、なるべく丈夫な建物に住みたいですよね。
丈夫な建物の比較という点では、RC作りのマンションと木造の戸建てでは、基礎(土台)から躯体まで強度が全然違います。
耐震の戸建てというのもありますが、マンションの強度には全然敵いません。
火事でもそうです。
木造の戸建ては全部燃えてしまいますが、マンションの鉄骨が燃える事はありません。
税法の減価償却期間を見ると、RC造のマンションは47年です。
長持ちするから47年かけて減価償却をしなさい。ということです。
それに比べ、木造戸建ては22年です。
マンションと戸建て、強度がどれくらい違うかがこんなところにも表れていますね。
また、水害にあったとしても、2F以上の高さの部屋なら浸水することはないでしょう。
ただ、木造の場合は燃えやすく崩れやすいといっても、見方を変えればそれがメリットでもあるんですよね。
リフォームや解体が簡単で、費用も安く済むのです。
再建築するにしても、現在はローコスト戸建てといって大手ハウスメーカーの2分の1程度の価格で建てられるものもありますし。
メリットはデメリットでもあり、その逆も然り。
ということで、マンションと戸建てどちらがいいの?ということですが、結局答えは出せません(笑
買うか借りるか?でも述べましたが、ライフスタイルや好みで決めるしかありませんね。
以下、それ以外の家を買うときのポイントをお伝えします。
仲介手数料無料の仲介業者から探せ!
家の売買をするときには、売主と買主の間に仲介業者が入るわけですが、売買が成立したら、売主と買主は仲介業者に「仲介手数料」を払わないといけません。
仲介手数料の額は、物件価格の3%プラス6万円です。
6万円ってなに?3%でいいじゃん。という気がしますが、とにかくそれだけの手数料がとられるわけです。
たとえば、3,000万円の物件を買おうとしたら96万円の仲介手数料になります。
大きな金額ですよね。物件価格とは別に100万円近く必要になるわけですから。
しかし、世の中には仲介手数料無料という仲介業者が存在します。
これは家を買う人からしたら非常に助かりますよね。
その業者のサイト内で仲介手数料無料物件の検索ができたり、サイトに載っていない物件でも無料だったり、最大で半額だったりしますよ。
家を買おうと思っている人は、まずはネットで「仲介手数料無料の業者」を検索してみてくださいね。
ネット情報を完全には信用するな!
物件を探すときにはまずネットで調べると思いますが、ネットでの物件情報って結構いいかげんです。
室内の写真が別の物件のものとか、とっくに売れてしまった物件なのにいつまでも掲載しているというのはザラ。
わたしが今度決めた物件は、ネットでは「食洗機付き」となっていましたが、実際にはついていませんでした。
奥さんは「食洗機いらない派」だったので、食洗機の代わりに収納スペースがあることに喜んでいましたが、逆のケースもあると思います。
あとは「駐車場空き有り」になっているのに駐車場そのものがないとか。
ひどいのになると、プロパンガスなのに都市ガスと記載してあったりします。
ここまでくると詐欺レベルですよね。
スピード勝負の不動産業者ですから、掲載内容の全てを確認することはせず、もし間違いがあっても修正しないのだろうと推測できます。
最低でも自分がどうしても譲れない部分だけは、仲介業者にしっかりと確認しておくべきですね。
ネットバンクは金利が低いけど・・・
欲しい家が見つかったら、金融機関に住宅ローンの事前審査を依頼します。
通常は仲介業者が金融機関の候補を何社か挙げてくれますが、自分で他の金融機関に申し込むこともできるので、金利が低いネットバンクに申し込みをしてみるのもいいでしょう。
ネットバンクの金利の低さは安定していて、変動金利でだいたい0.3%~0.4%代です。
とにかく金利が低いネットバンクですが、「事前審査には通りやすく、本審査では落ちやすい」という特徴があります。
それと、これは不動産業者さんに聞いた話です。
住宅ローンは長い期間返済をしていくので、途中で職を失う等で返済が困難になったりする可能性もあります。
そのような場合、ネットバンクは実店舗がないので、窓口まで足を運んで相談するという事ができず、返済期日の延長等を交渉する余地がないそうです。
また、ネットバンクは将来的に外資系のグループ企業になりやすく、そのような場合には金利や住宅ローンのシステム自体が変わってしまう可能性がある。とのことです。
仮にそのようなことがあったとしても当面の金利の低さをとりますか?それとも、金利が多少高くてもメガバンクを選びますか?
ボーナス併用払いはやめましょう
家探しのサイトでは、住宅ローンの返済シミュレーションをすることができます。
物件価格、返済期間、金利、頭金、ボーナス時返済額などを入力すると、毎月の返済額が瞬時にわかるというものです。
ボーナス時返済額をつり上げると、当然ながら毎月返済額が減ります。
「へー。毎月の返済額がこんなに少なくなるなら、ボーナスでこれだけ払ってもいいな」
と思ってボーナス返済額を高く設定してしまう人も多いのですが、ボーナス時返済だけは絶対にやめたほうがいいです。
たとえば、毎月返済額が10万円。年に2回のボーナスの時はプラスで20万円ずつ払うとします。
すると、ボーナス月は30万円払うことになるわけですが、ボーナスって必ず貰えるものではないですよね。
会社の業績によっては出ない、あるいは減額されることもあるわけです。
または、会社が倒産しないとも限りませんし、リストラにあって職を失う可能性もありますよね。
そんなときに住宅ローンの返済で30万円払うのって精神的にキツくないですか?
いや、払えないかもしれませんよね。
たぶん後悔しますよ。「賃貸にしておけば良かった」って。
なので、ボーナス時の返済額はナシにしましょう。
そうしておいて、余裕のあるときには繰り上げ返済をするのです。
現在では住宅ローンもスマホアプリで手続きをする時代です。
いちいち銀行に電話したり窓口に行くことなく、スマホで簡単に繰り上げ返済ができるのです。
しかも、月に2回までは繰り上げ返済手数料が0円などという銀行もあります。
「繰り上げ返済はペナルティ(手数料がかかる)」が常識と思っている人には目から鱗でしょうね。
だからといって、むやみに繰り上げ返済はするな!
さきほどの件と矛盾するようではありますが、繰り上げ返済はなるべくしないほうがいいです。
低金利がウリの住宅ローンなのですから、そのままの金利の利息を払い続けていればいいんです。
たとえば、金利が0.5%だとしますよね。
(さきほど述べたようにネットバンクならもっと低いですが、とりあえず)
こんな低金利の時代に、100万円なり200万円を繰り上げ返済したところで、毎月の返済額は大して減りませんよ。
それよりも、その100万円なり200万円を、年利0.5%以上で運用する原資にしませんか?そのほうが絶対に賢いですよ。
年利0.5%で運用なんて難しいことではありません。
外国株を買うとか、複利の投信を続けるとか、安い不動産を買って人に貸すとか色々あります。
わたしは収益不動産を買うことをおススメしますね。
300万円あれば、利回り20%とかの地方の築古戸建てが買えちゃいます。
300万円の利回り20%ということは、年収60万円。月にして5万円ですよ。
300万円を繰り上げ返済に回しても、月々の返済がわずかに減るだけです。
それよりも、毎月5万円のリターンを得るほうが遥かに良くないですか?
ただし、フラット35などのように金利が2%超の場合は、繰り上げ返済をして残債を減らした方がいいときもあります。
また、住宅ローンを少しずつ返済していけば、それだけ家計にお金が残っていきます。
一方、ガンガン返済すればローンの残債は減っていきますが、家計のお金はいつまでも貯まりませんよね。
住宅ローンを組むときには団信という生命保険に入るわけですが、残債がたくさんあっても、ほとんど残ってなくても、契約者が亡くなったときに残債が0円になることに変わりはありません。
それであれば、繰り上げ返済を急がずに家計にお金を残していったほうが、万一のときに残された家族が助かりますよ。
というのは、ちょっと不謹慎な話でしょうか。
以上、家を買う時に知っておいた方がいいポイント色々でした。
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