鳥取砂丘のてっぺんには何がある?実際に「馬の背」へ登ってみた
鳥取県を代表する観光スポット、鳥取砂丘。
以前から気になっていました。
とはいえ、行ったところで目の前にあるのは、おそらく砂、砂、そして砂。
それでも、見渡す限り砂が広がる圧倒的な光景を、一度は自分の目で見てみたい!
そして、鳥取砂丘のてっぺんまで登ると、いったい何が見えるのでしょうか。
結論からいうと、観光の中心となる「馬の背」の頂上に、建物や記念碑のようなものがあるわけではありません。
そこにあるのは、広大な砂丘と青い空、そして目の前いっぱいに広がる日本海。
何かが「置いてある」のではなく、登った人だけが見られる大パノラマこそが、鳥取砂丘のてっぺんにある最大のご褒美です。
ということで、実際に鳥取砂丘へ行き、馬の背の頂上まで登ってみました。
今回も横浜からマイカーで(笑)。
相変わらず、距離感だけは少々壊れています。
鳥取砂丘センターの無料駐車場から砂丘へ
車は、鳥取砂丘センター「見晴らしの丘」の無料駐車場へ停めました。
鳥取砂丘センターの駐車場は、2026年現在も無料で利用できます。
砂丘センターから鳥取砂丘の入口へは観光リフトでも移動できますが、今回は歩いて砂丘へ向かいました。
駐車場から歩いて5分くらいだったでしょうか。
徐々に視界が開け、鳥取砂丘が見えてきました。
鳥取砂丘は、日本海に面した広大な海岸砂丘です。
「日本最大の砂丘」と紹介されることもありますが、正確には観光できる砂丘として日本最大級の規模を誇る場所。
その一部は、国の天然記念物にも指定されています。
砂丘の入口を越えると、目の前に広がるのは本当に砂だらけ。
写真では見たことがありましたが、実際にその場へ立つと、想像していた以上のスケールです。
周囲に高い建物がないため、空まで普段より広く感じます。
実際に砂丘を歩いてみると、砂が驚くほどサラサラ。
足を踏み出すたびに靴が沈み、普通の地面を歩くよりもかなり体力を使います。
しかも、靴の中へ容赦なく砂が入ってくる。
「靴いらなくない?」
ということで、私は裸足になってしまいました。
裸足で歩く砂は、サラサラとしていてとても気持ちいい。
足の裏から、砂丘を歩いていることをダイレクトに感じられます。
ただし、裸足で歩く際は注意も必要です。
夏や晴天時の砂は非常に熱くなることがあり、やけどをする危険があります。
砂の中に小石や異物が落ちている可能性もあるため、裸足になる前に砂の温度と足元を確認してください。
特に鳥取砂丘には日陰がほとんどありません。
季節を問わず、帽子、飲み物、日焼け対策を準備し、熱中症には十分注意しましょう。
写真の背景に見える、小高い砂の丘。
これが、鳥取砂丘を代表する場所「馬の背」です。
馬の背は高さ約47メートル。
砂丘入口からは直線距離で約400メートルあります。
数字だけを見ると、それほど遠くないように感じます。
しかし、足元は沈み込む砂。
一般的な400メートルとは、疲れ方がまるで違います。
それにしても、見渡す限りの砂丘。
日常生活では、まず目にすることのない光景です。
日本にいるはずなのに、どこか遠い国へ来たような非日常的な気分になります。
それでは、鳥取砂丘のてっぺんを目指して、馬の背へ近づいてみましょう。
馬の背へ近づいてみます。
砂丘の中を歩いていると、砂ばかりの景色の中に水がたまっている場所が見えてきました。
最初は、雨が降ったあとにできた大きな水たまりかと思いました。
しかし、水の周囲には緑も生えています。
砂丘の中に突然現れる水と植物。
まさに、砂漠でイメージする「オアシス」のような景色です。
鳥取砂丘では、地下水の水位が上がる時期に、砂丘のくぼ地へ水が現れることがあります。
ただし、オアシスは一年中必ず見られるものではありません。
雨量や地下水位、季節などによって、大きさや出現状況が変わります。
水がまったくない日もあれば、大きな池のように見えることもあるそうです。
砂丘の中で、このような景色を実際に見られたのはラッキーでした。
写真で見ると穏やかな風景ですが、馬の背は近づくほど急な斜面に見えてきます。
遠くから眺めていたときは、「ちょっとした砂の丘でしょ」と思っていました。
ところが、間近まで来ると予想以上の迫力。
上を見上げると、すでに多くの観光客が頂上を目指して登っています。
馬の背には、比較的緩やかに登れるルートと、正面から一気に登る急なルートがあります。
もちろん私は、正面の急坂へ。
こういうときだけ、なぜか無駄に挑戦したくなります。
しかし、砂の斜面は想像以上に歩きにくい。
一歩前へ進んでも、足元の砂が崩れて半歩ほど後ろへ戻されます。
登っているというより、巨大な砂のルームランナーで運動しているような状態。
平らな道なら簡単に歩ける距離でも、砂丘ではかなり体力を消耗します。
運動不足の方は、無理に急斜面を登らず、傾斜の緩やかな場所から回り込むのがおすすめです。
また、風の強い日は砂が目や口に入りやすいため、眼鏡やサングラスがあると便利です。
コンタクトレンズを使用している方は、飛んできた砂が目に入らないよう特に注意しましょう。
鳥取砂丘では、当時「サンドボード」の体験案内も見かけました。
サンドボードとは、スノーボードの砂丘版。
ボードに乗り、砂の斜面を一気に滑り降ります。
かなり面白そうです。
少し挑戦してみたい気持ちもありました。
しかし、砂の斜面を滑って転び、汗と砂まみれになり、自力で再び頂上まで登る。
そして、もう一度滑って転び、また登る。
その未来を想像しただけで、急に冷静になりました。
汗だくの体に砂が付着すれば、全身きな粉もち状態になることは間違いありません。
ということで、今回は見送ることにしました。
山頂まで運んでくれるリフトが完備されていたら、迷わず挑戦していたかもしれません。
馬の背を登るだけでも、なかなかの運動です。
息を切らしながら、少しずつ頂上を目指します。
そして、ついに鳥取砂丘のてっぺんへ到着しました。
頂上へ出た瞬間、強い風が吹き抜けます。
頑張って登った体には、この風がとても気持ちいい。
そして、目の前に広がる景色は想像以上でした。
鳥取砂丘のてっぺんには、展望台や売店、記念碑などがあるわけではありません。
あるのは、広大な砂丘と空、そして日本海。
人工物のほとんどない景色だからこそ、圧倒的な開放感を味わえます。
しばらく何もせず、ぼんやりと周囲を眺めていました。
登ってきた方向を振り返ると、砂丘入口や周囲の景色を一望できます。
下から見上げたときにも大きく感じましたが、頂上から眺めると鳥取砂丘の広さをさらに実感します。
小さく見える人々が、砂の上をゆっくり移動しています。
まるで巨大な砂場の中を歩くアリのよう。
もちろん、自分も少し前まではその一人でした。
馬の背の頂上から海側を眺めると、日本海がすぐそばに広がっています。
砂丘のてっぺんから眺める日本海は、想像していた以上の迫力。
目の前には青い海、足元には広大な砂丘、頭上にはどこまでも続く空。
建物や電線など、視界を遮るものがほとんどありません。
鳥取砂丘のてっぺんには何があるのか。
その答えは、日本海を一望できる圧倒的な絶景でした。
私は関東人なので、太平洋側の海岸にはなじみがあります。
同じ日本の海なのに、反対側にある日本海を高い砂丘の上から眺めていると、なんとも不思議な気分になりました。
馬の背から砂丘を下り、そのまま日本海の海岸まで歩いて行くこともできます。
頂上から見ると海はすぐ近くに感じますが、実際に砂の上を歩くと意外に距離があります。
しかも、海岸まで下りたあとは、再び砂の斜面を登って戻らなければなりません。
行きはよいよい、帰りは砂地獄。
海岸まで行く場合は、時間と体力、飲み物に余裕を持っておきましょう。
特に真夏は日差しが強く、砂の表面温度も高くなります。
無理をせず、体調に不安を感じたら早めに引き返してください。
鳥取砂丘の馬の背に登った感想
鳥取砂丘へ行く前は、「結局、砂しかない場所なのでは?」と思っていました。
確かに、基本的には砂です。
見渡しても砂、歩いても砂、靴の中にも砂。
帰宅してから、なぜかバッグの中からも砂が出てきます。
しかし、周囲を砂に囲まれた圧倒的な景色は、実際にその場へ立たなければ分かりません。
砂へ足を取られながら馬の背を登り、頂上から日本海を眺める体験も、鳥取砂丘ならでは。
「砂しかない」のではなく、砂があるからこそ味わえる非日常がありました。
鳥取砂丘、楽しかった。
日本で唯一「砂漠」と表記される場所は鳥取砂丘ではない
さて、日本には国土地理院の地図で、国内で唯一「砂漠」と表記されている場所があることをご存じでしょうか。
これだけ大量の砂が広がっているのだから、当然その場所は鳥取砂丘でしょう。
そう思いますよね。
ところが、鳥取砂丘は砂漠ではなく、風によって運ばれた砂が積もってできた「砂丘」です。
国土地理院の地図で日本唯一「砂漠」と表記されている場所は、東京都の伊豆大島にある「裏砂漠」。
裏砂漠は、三原山の噴火で噴き出した火山灰やスコリアと呼ばれる火山噴出物に覆われた、黒い大地です。
白っぽい砂が広がる鳥取砂丘とは、景色も成り立ちもまったく異なります。
伊豆大島の裏砂漠については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
伊豆大島の裏砂漠へ行ってみた|日本で唯一「砂漠」と表記される場所
鳥取砂丘の大量の砂はどこから来た?
それにしても、これほど大量の砂は、いったいどこからやって来たのでしょうか。
鳥取砂丘の砂は、人の手で運ばれてきたものではありません。
中国山地の岩石が長い年月をかけて風化し、細かな砂になります。
その砂が雨によって川へ流れ込み、千代川を通って日本海まで運ばれます。
日本海へ流れ出た砂は、波や沿岸流によって再び海岸へ打ち上げられます。
さらに、強い季節風が砂を内陸へ運び、それが長い年月にわたって繰り返されたことで、現在の鳥取砂丘が形成されました。
つまり、鳥取砂丘は川、海、波、風が共同で造り上げた巨大な自然作品というわけです。
風が砂の表面に美しい波模様を描く「風紋」も、鳥取砂丘を代表する見どころの一つ。
風紋は、風が吹けばいつでもきれいに見られるわけではありません。
人の足跡が少なく、砂が乾き、適度な風が吹くなど、いくつかの条件がそろう必要があります。
美しい風紋を見たい場合は、観光客の足跡が増える前の早朝を狙うのがよさそうです。
季節、天候、風向きによって、訪れるたびに異なる表情を見せる鳥取砂丘。
馬の背のてっぺんから見える景色だけでなく、砂丘の成り立ち、オアシス、風紋、砂の動きなど、知れば知るほど興味が湧いてきます。
「砂しかない」と思って訪れた鳥取砂丘。
実際には、砂しかないからこそ面白い、想像以上に奥深い場所でした。












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