石川県志賀町の「世界一長いベンチ」へ
今回は、石川県にある少し変わった観光スポットをご紹介します。
石川県志賀町の増穂浦海岸沿いには、なんと「とてつもなく長いベンチ」があるそうです。
長いベンチといっても、公園にあるベンチを少し横へ伸ばした程度ではありません。
その全長は、驚きの460.9m。
「そこまで長くする必要があったのか?」という疑問はひとまず横へ置き、実際にどれほど長いのか確かめに行ってみました。
観光スポットとしての名称は、そのものズバリ「世界一長いベンチ」です。
1989年には、世界一長いベンチとしてギネスブックに掲載されました。
現在は世界最長の座を譲っていますが、「世界一長いベンチ」という名称は今も残り、志賀町を代表する観光スポットのひとつになっています。
※この記事は訪問当時の体験をもとに、2026年の情報を加えてリライトしています。交通状況や周辺施設の営業内容は変更される場合があるため、訪問前に公式情報をご確認ください。
世界一長いベンチの場所と駐車場
世界一長いベンチがあるのは、石川県羽咋郡志賀町の増穂浦海岸です。
国道249号沿いにある「道の駅とぎ海街道」から、歩いて約1分の場所にあります。
車で訪れる場合は、道の駅とぎ海街道の駐車場を利用すると便利です。
道の駅へ車を停め、海側へ向かって歩けば、すぐにベンチへ到着できます。
世界一長いベンチ専用の駐車場を探して周囲をグルグル回る必要はありません。
なお、以前の記事では「付近に電車がないため、車で行くしかなさそう」と書いていました。
確かに鉄道駅から歩いて行ける場所ではなく、観光の自由度を考えると車が最も便利です。
ただし、2026年現在は公共交通でもアクセスできます。
最寄りの「富来バス停」から、世界一長いベンチまでは徒歩約10分です。
金沢方面から路線バスを乗り継いで訪れる方法もあるため、車がなければ絶対に行けない場所というわけではありません。
それでも能登半島の周辺観光も合わせて楽しむなら、マイカーやレンタカーのほうが動きやすいでしょう。
志賀町へ入りました
車を走らせ、志賀町へ入りました。
石川県志賀町は、能登半島のほぼ中央部に位置しています。
世界一長いベンチのほか、巌門や能登金剛など、海岸沿いの景勝地が多い地域です。
海沿いを走るドライブコースとしても気持ちがよく、目的地へ着く前から能登らしい景色を楽しめます。
しばらく進むと、世界一長いベンチを案内する看板が見えてきました。
看板によると、ベンチの長さは460.9m。
数字だけを見ても、いまひとつ長さを想像できません。
一般的な陸上競技場のトラック1周が400mなので、それよりも約60m長いことになります。
ベンチに座るだけのつもりで来たのに、端から端まで歩けば、ちょっとした運動になりそうです。
階段を上ってベンチへ向かう
ベンチへ向かう途中に、階段がありました。
どうやら、この階段を上った先に例のベンチがあるようです。
世界一長いベンチという名前から、海岸の砂浜に直接置かれている姿を想像していました。
実際には海岸を見下ろす高台に設置されており、日本海を一望できる場所にあります。
階段を上ると、石碑のようなものが見えてきました。
ベンチを見る前に、こちらの石碑を確認してみましょう。
「岸壁の母」の歌碑を発見
石碑へ近づいてみます。


石碑には、「この歌は……」と書かれています。
しかし、肝心の歌が見当たりません。
どの歌だ!?
意味ありげな説明だけを先に読まされ、少々置いていかれた気分です。
周囲を確認すると、石碑の裏側にその歌がありました。
というより、どうやらこちらが表側だったようです。
刻まれていたのは、「慈母の愛を讃える」歌。
その歌とは、「岸壁の母」でした。
「岸壁の母」は、戦争から帰らない息子を待ち続けた母親を題材にした歌です。
明るい観光地の中に、悲しく切ない物語が刻まれていました。
世界一長いベンチを目当てに訪れましたが、この場所にはベンチ以外にも、地域や歴史を伝えるものが残されています。
全長460.9mの世界一長いベンチと対面
そして、例のベンチは歌碑のすぐそばにありました。
実際に目の前にすると、噂どおり長ーーいです。
ベンチの端から向こう側を見ても、終点がよく分かりません。
普通のベンチなら、視界へ入った瞬間に全体像を把握できます。
しかし、こちらはベンチというより、海岸に沿って延びる木製の道路です。
どうですか?
長いでしょう。
写真では全体の長さがなかなか伝わりませんが、それもそのはず。
長過ぎて、普通に撮影しても1枚の写真へ収まりません。
ベンチは一直線ではなく、海岸の地形に合わせるように緩やかに曲がっています。
途中には、ベンチが区切れているように見える部分もあります。
これは通路や窪みを避けるように形が変わっているためで、ベンチ自体は長くつながっています。
端から端まで同じ形の座面が延々と続いているわけではなく、所々に変化があるのも特徴です。
1989年にギネスブックへ掲載
このベンチは、1989年に世界一長いベンチとしてギネスブックへ掲載されました。
現在は別のベンチへ世界最長の座を譲っています。
そのため、厳密にいえば「現在も世界で最も長いベンチ」というわけではありません。
それでも「世界一長いベンチ」という名称は、当時の記録と地域の歴史を伝える観光スポット名として、今も使われています。
全長460.9mというスケールも変わりません。
世界最長ではなくなったからといって、急に短くなったわけではないのです。
実際に歩いてみれば、十分過ぎるほどの長さを体感できます。
地元ボランティア830人が造ったベンチ
世界一長いベンチが造られたのは、1987年です。
「日本海に沈む夕日を見てほしい」という地元住民の思いを受け、延べ830人のボランティアによって造られました。
ただ記録へ挑戦するためだけに長くしたのではありません。
多くの人にベンチへ腰を下ろし、美しい日本海と夕日を楽しんでもらいたい。
そんな思いが、この長さにつながっています。
完成から長い年月が経過し、2023年冬には老朽化のため一時的に撤去されました。
その後、2024年5月に再設置され、現在も増穂浦海岸の風景を眺められる場所として利用されています。
能登半島地震を乗り越えて再び設置されたベンチは、地域復興の象徴のひとつにもなっています。
一度に何人座れる?
全長460.9mのベンチには、一度に何人くらい座れるのでしょうか。
1mの長さに2.5人座れると仮定すると、単純計算では約1,152人が座れます。
1,152人といえば、学校の全校集会どころではない人数です。
もちろん実際には、ベンチの曲がりやテーブル、通路などがあるため、計算どおりに全員が座れるとは限りません。
それでも、1,000人規模が並んで座れる可能性のあるベンチという時点で、普通ではありません。
なお、完成時のイベントでは1,346人が座ったという記録も残されています。
多少詰めれば、計算以上に座れるようです。
とはいえ、見知らぬ人とそこまで密着して座りたいかどうかは、また別の話ですが(笑)
窪みにはテーブルも設置されている
ベンチの途中には、窪んだ形になっている場所があります。
その部分には、テーブルが設置されていました。
ただ長いだけではなく、途中で飲み物や食べ物を置けるように工夫されています。
道の駅で購入した軽食を持ってきて、海を眺めながら食べるのもよさそうです。
長いベンチの真ん中で弁当を広げても、隣の人との距離に困ることはまずないでしょう。
むしろ広過ぎて、待ち合わせ相手から「どこに座っているの?」と聞かれたときの説明に困りそうです。
「ベンチにいるよ」では、460.9mのどこなのかまったく分かりません。
ベンチから増穂浦海岸を眺める
ベンチへ腰を下ろすと、目の前には日本海が広がります。


増穂浦海岸は、緩やかに弧を描く砂浜が美しい海岸です。
遠くまで続く海岸線と日本海を、高台から見渡せます。
これだけ長いベンチがありながら、主役はあくまでも目の前の海。
ベンチは、夕日や海をゆっくり眺めるために造られた場所なのです。
波の音を聞きながら何もせずに座っているだけでも、ぜいたくな時間を過ごせます。
もっとも、せっかく来たからには端から端まで歩いてみたくなるのが人情です。
座るための場所なのに、なぜか歩きたくなる。
世界一長いベンチには、そんな不思議な力があります。
増穂浦海岸はさくら貝でも有名
増穂浦海岸は、美しい小貝が打ち上げられる場所としても知られています。
特に有名なのが、淡いピンク色をしたさくら貝です。
さくら貝は「幸せを呼ぶ貝」ともいわれ、道の駅とぎ海街道では、さくら貝を使った貝細工なども販売されています。
ベンチを歩いたあとは海岸へ下り、貝殻を探してみるのもよいでしょう。
ただし、時期や天候、波の状態によっては、必ず見つかるとは限りません。
見つからなかったからといって不幸になるわけではないので、気軽に探してみましょう。
増穂浦海岸は海水浴場としても人気
目の前に広がる増穂浦海岸は砂浜になっており、夏には海水浴を楽しめます。
海岸線が美しく、ベンチから眺めるだけでも気持ちのよい場所です。
海水浴の営業期間や遊泳状況は、年によって変更される場合があります。
海水浴を目的に訪れる場合は、志賀町や観光協会が発表する最新情報を確認してください。
冬の日本海は風や波が強くなることもあるため、季節に合った服装も必要です。
海岸沿いは街中より風が強く感じられることがあります。
晴れていても羽織るものを用意しておくと安心です。
夕日の名所「サンセットヒルイン増穂」
世界一長いベンチがある場所は、「サンセットヒルイン増穂」とも呼ばれています。
名前のとおり、日本海へ沈む夕日を眺められる名所です。
訪問する時間を選べるなら、日没前に到着するのがおすすめ。
長いベンチへ座り、空と海が夕焼け色に変化していく様子をゆっくり楽しめます。
夕日の方向へベンチが460.9mも続いているため、座る場所の争奪戦になる心配はほとんどないでしょう。
ただし、日没時刻は季節によって大きく変わります。
夕日を目的に訪れる場合は、当日の日没時刻と天気を確認し、余裕を持って向かってください。
夕日が沈んだあとは周囲が暗くなるため、足元にも注意しましょう。
写真を撮る人は多いのに誰も座らない
私が訪れた日は祝日だったため、周辺にはそれなりに観光客がいました。
多くの人が、長く続くベンチへカメラを向けています。
やはり、この長さは写真に収めたくなりますよね。
ところが、しばらく周囲を見ていると、少し不思議なことに気付きました。
ベンチの写真を撮る人は多いのに、実際に座っている人がほとんどいません。
座るためのベンチなのに、みんな立ったまま撮影しています。
長過ぎるベンチを前にすると、人は座るより先に写真を撮りたくなるようです。
何となく愉快な光景でした(笑)
せっかく訪れたなら、写真だけで終わらせず、一度は腰を下ろしてみましょう。
ベンチへ座ったときに見える日本海こそ、この場所が本来見せたかった景色です。
散策に必要な時間の目安
世界一長いベンチを見るだけなら、滞在時間は20~30分ほどでも十分です。
ただし、端から端まで歩いたり、写真を撮ったり、海岸へ下りたりする場合は、45分~1時間ほど見ておくとよいでしょう。
夕日をゆっくり眺めるなら、さらに余裕が必要です。
ベンチの端から端までの距離は460.9m。
往復すると921.8mになるため、ほぼ1kmの散歩です。
「ベンチを見に来ただけだから歩かない」と思っていても、気付けばしっかり散策しています。
歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
2026年のアクセス・基本情報
世界一長いベンチの基本情報をまとめます。
名称:世界一長いベンチ
所在地:石川県羽咋郡志賀町富来領家町
全長:460.9m
完成:1987年
ギネスブック掲載:1989年
見学:自由
駐車場:あり
最寄りの駐車場:道の駅とぎ海街道
車でのアクセス:のと里山海道・西山ICから約30分
公共交通:富来バス停から徒歩約10分
ベンチは屋外にあるため、基本的に自由に見学できます。
ただし、悪天候や周辺工事などにより、立ち入りや利用が制限される可能性があります。
能登半島では道路状況が変わる場合もあるため、出発前に公式の道路情報や観光情報を確認してください。
道の駅とぎ海街道にも立ち寄ろう
世界一長いベンチを散策したあとは、すぐそばにある「道の駅とぎ海街道」へ立ち寄ってみましょう。
道の駅から世界一長いベンチと増穂浦海岸までは、歩いて約1分です。
駐車場やトイレを利用できるだけでなく、能登の特産品や土産物も販売されています。
公式サイトでは、名物グルメとして甘えびかきあげバーガーや男爵ソフトクリームが紹介されています。
長いベンチを端から端まで歩いてお腹が空いたら、能登らしいグルメを味わうのもおすすめです。
世界一長いベンチで、甘えびかきあげバーガーを食べる。
長いものを眺めながら横に大きく口を開けるという、なかなかダイナミックな観光になります。
施設の営業時間や休館日は変更される場合があるため、利用前に道の駅とぎ海街道の公式サイトをご確認ください。
世界一長いベンチがおすすめな人
世界一長いベンチは、次のような人におすすめの観光スポットです。
・能登半島を車で観光する人
・少し変わった観光スポットが好きな人
・ギネスブックに掲載された場所を訪れたい人
・日本海や夕日を眺めたい人
・海岸沿いをのんびり散策したい人
・さくら貝を探してみたい人
・無料で楽しめる観光スポットを探している人
大規模なテーマパークのように、たくさんの遊具や施設がある場所ではありません。
そこにあるのは、長いベンチと海と空。
それだけですが、だからこそ能登の雄大な景色を落ち着いて楽しめます。
まとめ|世界最長ではなくなっても驚くほど長い
石川県志賀町の増穂浦海岸にある、「世界一長いベンチ」を訪れました。
ベンチの全長は460.9m。
1987年に延べ830人のボランティアによって造られ、1989年には世界一長いベンチとしてギネスブックに掲載されました。
現在は世界最長記録を譲っていますが、実際に目の前で見ると、その長さは今でも十分に規格外です。
ベンチの端から端までを1枚の写真へ収めるのは難しく、往復すれば約1kmの散歩になります。
ベンチからは日本海と増穂浦海岸を一望でき、特に夕暮れ時はおすすめです。
「日本海に沈む夕日を見てほしい」という地元住民の思いから造られた場所なので、訪れたら写真を撮るだけでなく、ぜひ一度座ってみてください。
私が訪れたときは、写真を撮る人はたくさんいるのに、座る人はほとんどいませんでした。
ベンチとしては少々複雑な心境だったことでしょう(笑)
車で訪れる場合は、すぐ近くにある道の駅とぎ海街道の駐車場が便利です。
散策後は、道の駅で能登の特産品やご当地グルメも楽しめます。
能登半島をドライブする際は、全長460.9mのベンチと、その向こうに広がる美しい日本海を眺めに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。












えぇこんな長いベンチ初めて見ました(笑)
460.9メートルって想像出来ません(苦笑)
海岸線だから出来るんですよねきっと
これが駅前とかではきっと余程大きな駅とか
横に長い新幹線の駅とか(笑)
都会の駅とかではまず無理でしょうかね(苦笑)
魔王さま
ずいぶんと長いベンチですよね(^^
確かに地方の海岸線だからできる世界一ですね!。
都会であれば、ヘタしたら一駅分歩くくらいの距離になりそうです(笑