佐賀県嬉野市にある嬉野(うれしの)温泉へ行ってきました。
嬉野温泉は、島根県の斐乃上温泉、栃木県の喜連川温泉と並び、「日本三大美肌の湯」のひとつと呼ばれています。
とろりとした独特の湯ざわりが特徴で、温泉へ浸かると肌の表面がつるつるしたように感じられます。
泉質は、ナトリウムを多く含む弱アルカリ性の温泉。
角質化した皮膚をなめらかにするとされていることから、美肌の湯として親しまれているそうです。
そして、嬉野温泉にはもうひとつ忘れてはいけない名物があります。
それが「温泉湯豆腐」です。
嬉野の温泉水で豆腐を煮込むと、温泉水に含まれるアルカリ成分が豆腐のたんぱく質へ作用し、表面がとろけていきます。
やがて煮汁は豆乳のような乳白色になり、普通の湯豆腐とは異なる、とろとろの食感に仕上がります。
温泉へ浸かって外側からつるつるになり、温泉湯豆腐を食べて内側から満足する。
嬉野温泉、温泉水をなかなか働かせます。
今回は、嬉野川沿いに建つ小さな温泉宿「御宿高砂」へ宿泊しました。
※この記事は宿泊当時の体験を基に、2026年の客室・温泉・食事場所・駐車場などの情報を追記しています。写真の客室や料理は訪問当時のものです。
今回宿泊するのは嬉野温泉「御宿高砂」
今回お世話になる「御宿高砂」は、嬉野川のほとりに建つ全10室の小さな温泉旅館です。
大型ホテルのような華やかさよりも、昔ながらの温泉宿で静かに過ごしたい人に向いた雰囲気。
客室には、川辺の和室をはじめ、源泉の石風呂付き、檜露天風呂付き、寝湯露天風呂付きなど複数のタイプがあります。
「温泉宿へ来たら、館内移動より温泉に時間を使いたい」
という私には、このくらいの規模がちょうどいい。
【御宿高砂】佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙730
御宿高砂の基本情報【2026年】
施設名:嬉野温泉 御宿高砂
住所:佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙730
電話番号:0954-42-0035
客室数:全10室
チェックイン:15:00~18:00
チェックアウト:8:00~10:00
門限:24:00
駐車場:約13台・無料
Wi-Fi:全館・全客室で無料
喫煙:全室禁煙
エレベーター:なし
本館の客室は2階と3階にあり、館内にエレベーターはありません。
階段の利用が難しい方は、予約前に宿へ相談しておくと安心です。
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昔ながらの温泉旅館らしい外観
御宿高砂の外観は、昔ながらの温泉宿といった雰囲気です。
大規模な高級ホテルのような派手さはありません。
川沿いの温泉街に昔から建っている、落ち着いた小さな旅館という印象です。
新しさや豪華さを最優先する人には、少し年季を感じる部分もあるでしょう。
一方で、昔ながらの帳場、畳の客室、温泉旅館らしい食事。
「そうそう、温泉旅行ってこういうのでいいんだよ」
という雰囲気があります。
今回案内された客室
案内された部屋がこちらです。
畳の和室と、ソファが置かれた広縁がひと続きになっています。
和室側とソファのある空間との間には、襖などの仕切りがありませんでした。
そのため、実際の畳数以上に開放的に感じられます。
畳へ寝転びたい人と、ソファへ座りたい人が同じ空間で過ごせるのも便利。
まあ、どちらを選んでも最後は畳へゴロンとしている可能性が高いですが。
客室タイプは5種類
御宿高砂には、趣の異なる複数の客室があります。
・檜の露天風呂付き客室
・寝湯露天風呂と石風呂内湯付き客室
・源泉石内風呂付き客室
・川辺のせせらぎ客室
・リーズナブルな和室
すべての部屋に客室風呂があるわけではありません。
「部屋で好きな時間に温泉へ入りたい」
という方は、予約するときに温泉風呂付き客室かどうかを確認しましょう。
窓から嬉野川と赤い橋を望む
窓から見える景色がこちら。
目の前には嬉野川が流れ、その向こうには真っ赤な欄干の橋が架かっています。
山や大海原が広がる絶景とは違います。
でも、川の流れと温泉街らしい橋を眺められる、落ち着いた景色です。
窓を開ければ川の音も聞こえ、部屋にいるだけで、
「ああ、温泉地へ来たな」
という気分になります。
客室に付いていた温泉風呂
今回の部屋には温泉風呂が付いていました。
大浴場とは別に、好きな時間に部屋で温泉へ入れるのは大きな魅力です。
御宿高砂では、客室風呂にも嬉野温泉が使われています。
人目を気にせず入りたい人や、夜中・早朝にも温泉を楽しみたい人にはうれしい設備。
これがあると、
「大浴場へ行くほどではないけど、もう1回入りたいな」
という温泉旅行特有の欲望にもすぐ対応できます。
まずは大浴場で嬉野温泉を満喫
部屋へ荷物を置いたら、とりあえず大浴場へ向かいます。
温泉宿へ到着して、先に館内を細かく調査するか、すぐ温泉へ入るか。
私は迷わず後者です。
男性用大浴場「殿の湯」は露天風呂が中心で、洗い場は内側。
女性用「姫の湯」には内湯と露天風呂があります。
どちらの露天風呂も嬉野川沿い。
川のせせらぎを感じながら、嬉野温泉特有のとろりとした湯へ浸かれます。
実際に入ってみると、肌にまとわりつくような感触。
石鹸を落とし忘れたわけではありません。
これが嬉野の湯です。
夕暮れになると赤い橋がライトアップ
大浴場から部屋へ戻り、何気なく窓の外を見ると……。
目の前の橋がライトアップされていました。
昼間に見たときとは、雰囲気が大きく変わります。
さらに暗くなると、橋の赤色と照明が川面へ映り込みました。
幻想的で、とてもきれいです。
部屋から外へ出ることなく、この景色をゆっくり眺められるのはぜいたく。
昼間は川辺の温泉街。
夜はライトアップされた赤い橋。
同じ窓なのに、時間帯によって景色が変わります。
夕食は客室でゆっくり
それでは、楽しみにしていた夕食です。
私たちが宿泊したときは部屋食でした。
移動せず、自分たちの部屋で周囲を気にせず食べられるのは、昔ながらの温泉旅館ならでは。
現在の食事場所はプランや客室条件などで異なる場合があるため、部屋食を希望する場合は予約プランを確認しておきましょう。
テーブルには、季節の小鉢や刺身などが並びました。
派手な創作料理で驚かせるというより、温泉旅館らしい会席料理を少しずつ味わう構成です。
こういう料理は一皿ずつ見ると、
「まだまだ余裕だな」
と思うんですよね。
この判断が後半になって効いてきます。
刺身、焼き物、煮物など、味付けや食感の違う料理が続きます。
器や盛り付けにも温泉旅館らしい雰囲気があります。
名物の温泉湯豆腐と佐賀県産牛のしゃぶしゃぶ
そして夕食の主役が、嬉野温泉名物の「温泉湯豆腐」と、佐賀県産牛のしゃぶしゃぶです。
温泉水の中で豆腐を煮込んでいくと、豆腐の角が少しずつ崩れ、鍋の中が乳白色へ変わっていきます。
一般的な湯豆腐は、豆腐の形を崩さず温めて食べます。
ところが嬉野の温泉湯豆腐は、豆腐がとろけていく変化そのものが面白い。
表面はとろり。
口当たりはなめらか。
豆腐のうま味が溶け出した白いスープまで飲みたくなります。
そこへ佐賀県産牛のしゃぶしゃぶも登場。
豆腐だけなら非常にヘルシーな夕食ですが、肉も遠慮なく参加してきました。
もちろん歓迎します。
会席料理はまだ続く
温泉湯豆腐としゃぶしゃぶで、すでにかなり満足しています。
しかし、料理はまだ続きます。
会席料理は、一品だけを見ると上品な量に感じます。
ところが最初の小鉢から最後まで積み重なると、なかなかのボリューム。
序盤で、
「今日は余裕だな」
と判断した胃袋が、ここへ来て急に会議を始めます。
最後はデザート
食事の最後にはデザートが登場しました。
あれだけ料理を食べたあとでも、甘いものは別枠へ収まります。
人体には、温泉旅行のときだけ開く秘密の収納スペースがあるのかもしれません。
そして、こちらはご愛嬌。
就寝前にもう一度大浴場へ
夕食を終え、就寝前にもう一度大浴場へ行きました。
御宿高砂の露天風呂は嬉野川沿い。
昼間とは違い、夜になると周囲が静まり、川の音がさらによく聞こえます。
川の中では、サギが小魚を捕食している姿も見られました。
こちらは温泉に浸かり、サギは夕食中。
同じ川を眺めながら、ずいぶん違う夜を過ごしています。
朝食にも温泉湯豆腐が登場
翌朝の朝食にも、とろとろの「温泉湯豆腐」が登場しました。
夕食で食べたばかりですが、朝にも問題なく食べられます。
湯豆腐はシンプルな料理だからこそ、豆腐の甘みや口当たりがよく分かります。
温かく、柔らかく、朝の胃にもやさしい。
前夜に会席料理をたっぷり食べた体には、かなりありがたい朝食でした。
2026年現在、朝食は1階の食事会場で提供されています。
温泉湯豆腐を自宅で再現するなら専用の調理水を
嬉野温泉湯豆腐の面白さは、温泉水によって豆腐がとろける独特の食感です。
ただし、自宅で試したいからといって、入浴施設のお湯を持ち帰って鍋へ投入するのは当然おすすめできません。
再現する場合は、食品用として販売されている温泉湯豆腐用の調理水を使いましょう。
温泉は入るもの。
料理用温泉水は食べるもの。
この線引きは大切です。
御宿高砂へ宿泊する前に確認したいポイント
御宿高砂は全10室の小さな温泉宿です。
宿泊前に特に確認しておきたいのは、客室タイプと階段移動。
温泉風呂の有無は部屋によって異なり、本館客室は2階・3階ですがエレベーターはありません。
また、夕食の場所について希望がある場合も、予約プランの内容を確認しておくと安心です。
一方、大浴場は2026年現在15:00~23:00/翌朝6:00~9:30。
駐車場は宿の目の前に約13台分あり、無料で利用できます。
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まとめ|嬉野温泉らしさを味わえる川沿いの小さな宿
佐賀県嬉野市にある「嬉野温泉 御宿高砂」へ宿泊しました。
御宿高砂の魅力は、派手な設備の多さではなく、嬉野温泉らしい時間をゆっくり楽しめること。
とろりとした温泉へ浸かり、嬉野川の流れを眺め、夜には赤い橋のライトアップを楽しむ。
そして夕食では、嬉野名物の温泉湯豆腐と佐賀県産牛を味わう。
温泉湯豆腐は朝食にも登場しましたが、私はまだ飽きません。
むしろ帰宅後、普通の湯豆腐を見て、
「なぜ君はとろけないのか」
と思ってしまいそうです(笑)
大型ホテルのような華やかさより、川沿いの小さな旅館で温泉と食事をじっくり楽しみたい。
そんな嬉野温泉旅行には、候補に入れておきたい宿だと思います。


























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