目次
都会で一人暮らしを始める時、部屋を選ぶ決め手は何ですか?
部屋の広さ?駅からの距離?
マンション?それより安いアパート?
ガスは都市ガス?プロパンガス??
私は20代前半で一人暮らしを始め、その後は複数回引っ越しを経験しました。場所は全て東京都内と横浜市内です。
私の一人暮らし体験記を通し、これから都会で一人暮らしをスタートしようとしている方の参考になれば幸いです。
それでは、ノンフィクションでどうぞ。
独り暮らしデビュー物件はレオパレス
20代前半になり、そろそろ独立を考えた私。
当時勤めていた池袋まで通える範囲内での部屋を探しました。
今でこそ部屋探しはインターネットでするのが当たり前ですが、当時はネット環境が整っていなかったので、アパマン等の雑誌で探すのが一般的だったように思います。
雑誌をパラパラめくり、私が目を付けた物件は西武池袋線の東久留米駅そばの新築アパート。
さっそく業者さんに連絡をとって物件を見に行くことにしました。
現地に行き、その建物が「敷金礼金0」で有名なレオパレスであることを知ったのです。
間取りは1K(ロフト付き)の部屋です。
物件は東久留米駅から徒歩で10分ほど。
都心から離れているので程よく自然がある。
何より「新築」というプレミアム感が決め手となり、その物件に決めました。
そこには2年弱住みましたが、声を大にして言いたいことは・・・
とにかく壁が薄い(笑
噂には聞いていましたが、レオパレスの壁がこんなに薄いとは。
壁の薄さについて、エピソードを一つ紹介します。
私は1階の角部屋に住んでいて、部屋の壁のすぐ向こう側には外階段がありました。
毎夜遅い時間になると、ヒールで階段を上るコツコツとした音が聞こえます。
それから、ドアを開閉してヒールを脱ぐ音がはっきりと聞こえるのです。
そう、真上の住人は女性のようでした。
この住人、たまに部屋に友人などを招いていたのでしょう。
夜遅い時間なのに、笑い声や床をドンドン叩くような音が聞こえてくることもしばしば。
典型的な騒音ですね(笑)
ロフトで寝ていた私は、「ちょっとうるさいよ」アピールで、軽く天井を蹴ってみました。
すると、天井にポッカリと穴が空いてしまったのです!
天井までの距離感がうまく掴めなくて足が強めに当たったとはいえ、こんなに手加減した蹴りで穴が空くとは・・・
その時の騒音はピタッと止みましたが、天井修理代が3万円くらいかかってしまいました。
初の独り暮らし物件で特に印象深かったポイント
レオパレスは壁や天井が薄い
これは噂通りでしたね。アパートの壁ってこんなにも薄いの?と驚いた記憶があります。
レオパレスは敷金礼金0円ですが、入居期間が長ければ長いほど後々の費用が高くなる
敷金礼金が0円なので入居はしやすいのですが、引っ越しの時にクリーニング代がかかります。
この費用は入居期間が長ければ高くなっていきます。
ロフトは夏場は異常に暑くなる
温かい空気は上へ上へと上がっていくので、床と比べてロフトの気温はグンと高くなります。
そして、冷房をつけても床の部分と比べてロフトはあまり涼しくならなかった記憶があります。
当初はロフトに軽い憧れがありましたが、住んでみて後悔しましたね(笑
ただで住まわせてもらったマンション
さて、私が勤めていた池袋の職場に外部から役員が送り込まれました。
そのことにより社内は混乱、挙げ句には空中分解をおこしてしまいました。
その後はその役員が退社して独立することになり、私はその人についていくことにしました。
そして新しい職場は横浜市中区の官庁街。
横浜スタジアムや山下公園がすぐそばにあります。
しかし、東久留米からそこまで通うのは大変だろうということで、その人が持っていた横浜市内のマンションをただで貸してくれることになりました。
バブル期にキャッシュで買ったマンションのようで、その当時は誰も住んでなかったのです。
「以前の会社のような給料は出せないけど、その代わりにマンションをただで使って良いよ」という意味を込めて貸してくれたのです。
生まれてから20代前半まで東京に住んでいた私が、その後ずっと神奈川県民になるきっかけがこの引っ越しでした。
そのマンションは横浜市青葉区にありました。
JR横浜線の十日市場から徒歩で15分近くかかったと思います。
駅までの道は上り坂だったので、夏場はしんどかった記憶がありますね。
間取りは2DK。
レオパレスとは全然違う、しっかりとしたキッチンと洗面所がありました。
誰も住んでいないとはいっても、たまに使っていたのでしょう。生活感が少し残っていた部屋でした。
大型テレビやソファ、ベランダに鉢植えなども残されていました。
実際に私が住み始めるまでにはテレビは搬出されていましたが、ソファや鉢植えは残されていました。
このマンションには管理人が常駐していました。
宇津井健似で、ちょっと神経質そうな管理人です。
マンションを出入りするたびにいちいち顔を確認されるのが面倒でした。
たまに上の階から物が落とされたりすると、1階のエレベーター前の掲示板に注意文を貼り出していました。
それも物凄く怒ったような乱暴な文章で。
住み初めてしばらくすると、貸主から「ソファを別の場所で使うから返してほしい」とお願いされました。
もともと自分が買ったものではないので、それは構いません。
さらに、経営している会社の資金繰りが悪化したことで、この部屋を売って運転資金に充てようと考えたようです。
この部屋の購入検討者がたびたび内見に訪れるようになりました。
実際に私が住んでいる部屋に仲介業者と客が来て、あれこれと眺めて帰って行くのです。
ただで借りている身なので、嫌とは言えません。
結果、このマンションには2年近く住んだでしょうか。
ただで借りていた初のマンション独り暮らしの感想は・・・
ただとはいえ、知り合い(特に職場の上の立場の人)から借りるべきではない
自分の部屋なのに、常に縛られているような妙な不安感がありました。
貸し主がどこの誰だか知らない人のほうがよほど気が楽です。
場所や間取りや環境等の条件が自分で選べない
かなり妥協をして住むことになります。
私の場合は好みの間取りではなかったので、仕事から帰宅しても心が休まりませんでした。
マンションなので、やはりレオパレスよりは全然壁が厚い
これは言うまでもありませんね。
路線の運行状況を調べておいたほうが良い
住んでみてわかったのですが、横浜線は都心の路線としては本数が少ないです。
なので、電車の待ち時間が長い上にどうしても車内は混雑しました。
駅まで徒歩20分の軽量鉄骨造アパート
結局、そのマンションは売られることとなり、私は転居することとなりました。
立ち退き同然です(笑
その変わり、「今度借りる部屋は社宅扱いにしてあげるから、自分で好きな部屋を選んでいいよ」ということになりました。
その頃には、職場が横浜市の中区から東京都大田区の蒲田に移転していました。
元々東京都民だった私。また東京に住もうかとも思いましたが、結局横浜市内で物件を探しました。
次に選んだのは、京急線の弘明寺駅から徒歩で20分のアパート。
物件を探すにあたっての条件は2つでした。
1、京急線沿線であること
2、駐車場つきであること
上大岡にあるエイブルに行き、その日のうちに物件を5件ばかり見てまわりました。
どこも可はなく不可はありという物件ばかり。
そのため、最後に見たこの物件がとても良く思えたので決めちゃいました(笑
間取りは2K。和室が6畳で洋室が4.5畳かな。
駅まで歩くと20分だけど、アパート前にはバス停がある。
さらに、コンビニまで徒歩2分ほど。
そして、アパート前にはなぜか自販機がたくさんある。
アパートの隣は運送会社。広々とした駐車スペースのおかげで窓からの見晴らしも良い。
その運送会社にはとても人懐こい野良猫が住みついていて、アパートにもよく遊びにきていました。
よく人の後をついてくる猫で、私の部屋まで入り込んだこともあります。
弘明寺駅の近くには広大な弘明寺公園があり、よく散歩に出かけました。
駅そばにある「みうら湯」という温泉にもよく出かけました。
新しい友人もできました。
駅前の居酒屋「庄や」が行きつけになりました。
隣のカラオケ屋にもよく行きました。
段々と周りの地理がわかるようになってきました。
そんなこんなで平穏に暮らしていた時、突如見知らぬ不動産業者から一通の封書が届きます。
その不動産業者がこのアパートを買い取ったらしいのです。
そして、「このアパートを解体する予定なので、つきましては〇月〇日までに退去して下さい」と。
正真正銘の立ち退き依頼でした。
ここでゴネても時間の無駄。それなりの立ち退き料が貰えるので、さっさと次の部屋を探した方が得策というもの。
すぐに気持ちを切り替えました。
さて、このアパートに住んで「一人暮らしに大事なポイント」と感じた点は・・・
やはりコンビニが近いと便利!
普段はあまり使わないコンビニでしたが、友達が遊びに来た時の酒やつまみの追加購入に役立ちました。
窓からの眺望はとても大事
私は見晴らしをとても重視します。
寝るだけのために部屋に帰る人にはあまり関係ありませんが、そうでない人にとっては窓からの眺望はとても重要だと感じています。
ある意味、日当たりより大事だと思いますね。
さて、このアパートからそう遠くない距離の物件を探し、次に決めた部屋は・・・
ネコ屋敷ならぬネコマンション
立ち退かなくてはいけないことが決定しているので、早く新居を決めないと不安。
そんなことで、急いで物件を決めて失敗した例です(笑)
今度選んだのは、前述の立ち退き物件の隣の駅から徒歩15分程度のマンション。
確か築年数が40年くらいだったと思います。
4階建てのエレベーターなしのマンション1DK(8畳)です。
私はエレベーターがあってもあまり使わないので、これは問題ありません。
そこの、4階の日当たりの良い角部屋が募集されているということで見に行ってみました。
仲介業者曰く、「建物は古いけど、この部屋はかなりお金をかけてリフォームされている」そうです。
具体的には、部屋の畳がフローリングに変更されている。お風呂は自動給湯追い焚き機能付きに。トイレはウォシュレット付きに。キッチンの水洗金具が新品になっている。
南向きの日当たりの良い部屋で、大きな窓が2つありました。
建物は古いし何だか薄暗いけど、部屋は綺麗になっているからいいかな。日当たりも良いし。
というノリで、その場で契約を決めてしまったのです。
その物件に入居すると、ダメなポイントが徐々に浮き出てきました。
・日当たりが良すぎる部屋は、夏場は半端じゃなく暑い!
角部屋なので2面からの直射日光が凄い!
大きい窓をカバーする質の良い遮光カーテンを2窓分揃えるだけで結構な出費になりました。
・プロパンガスは予想以上に高い!
それまで使っていた都市ガスだと1ヵ月3~4千円だったのが、プロパンにしたら6千円代後半になってしまいました。
余談ですが、不動産投資家(貸主)目線だとプロパンガスが好まれます。
なぜかというと、そのマンションやアパート内のガス供給をプロパンガス業者と契約することにより、部屋の修繕や現状回復等が発生したときに色々なサービスが受けられるからです。
給湯器やエアコンやユニットバスを無償で交換してくれる場合もあります。
そのようなサービスが過剰になればなるほど入居者のガス代が高くなるから怖いですね。
都会であれば都市ガスが通っていない地域はほぼありませんし、部屋探しをするにあたってはプロパンガスの物件だけは絶対に避けたほうがいいです。
ついでに、都市ガスとプロパンガスとでは使えるガス器具が違うので要注意。
・古い建物は配水管がにおう
トイレから常に変なにおいが上がってきていました。
下水のにおいとは違うのですが、築40年ともなれば配管に色々と問題もあるのでしょう。
キッチンの水道には浄水器を付けてはいましたが、それでも水質が不安でした(笑
これらの問題により、徐々に引っ越したい気持ちが強くなっていきましたが、決定的となったのがネコ問題。
同じ階にネコを飼っている住民がいました。
というか、室内では飼ってはいなかったようですが、いつも部屋の前でエサを与えていたことで、複数のネコがマンションに居着いてしまったのです。
そのことにより、マンション内が糞害にみまわれてしまっていたのでした。
何日間も糞がそのままで、私が管理会社に電話することもしばしば。
マンションの住民は古くからそこに住んでいる高齢者も多かったようですし、みんな慣れているのか意に介さない感じでした。
朝ドアを開けると、目の前にネコの糞。
ため息をつきつつ出勤し、帰ってみるとまだ残っている・・・。
このままじゃ病んじゃうかも。
こんなに深刻な問題なのに、契約時には一言も聞いていません。
私も宅建士の端くれ、これは「入居者に不利益が及ぶ情報を故意に隠していた」ということで仲介業者にクレームをつけよう!
と思いましたが、面倒だったので止めました(笑)
ということで、また引っ越し先を探したのでした。
駅から徒歩2分の屋根付き駐車場ありのワンルームマンション
この頃、次の物件を決める条件が自然と心に芽生えていました。
1.今までのような無駄に広い部屋はいらない
2DK、2K、1DKの部屋に移り住んできたけど、独り身には無駄に広い部屋だったなと思いました。
部屋でくつろぐ時の場所はいつも同じだし、元々あまりモノを溜め込まない性格なので、広い必要がないのです。二部屋なんてもってのほか。
最低限、「立って半畳、寝て1畳」のスペースでもいいじゃないかという気持ちになりました。
2.もう3点ユニットバスでもいいや
一人暮らしを始めた当初から「風呂トイレ別」という条件だけは頑なに保っていましたが、別じゃなくてもいいかな?と思うようになりました。
そして、「次に引っ越すのは結婚する時。それまではこの条件の安い部屋で家賃を浮かせつつ住もう」と決めました。
しかし、譲れなかったのは「駐車場あり」の条件。
当時はマイカーを持つ事にこだわりを持っていたからです。
ドライブが好きで、長期連休にはマイカーで遠出。東北、北陸、中国、四国、九州と色々行きました。
冬季はタイヤを履き替え、群馬、新潟、長野までスノボに出かけていました。
しかし、人の気持ちは変わるものですね。
後に、そのマイカーでさえ「レンタカーとかカーシェアリングで別にいいか」という気になって手放しました(笑)
これらの条件で物件を探し、駅から徒歩2分のワンルームマンションに決めました。
駅近で屋根付き駐車場のせいで駐車料が高かったですが、部屋がとにかく狭かったので家賃は安かったですね。
結果、この部屋は独身時代で一番長く住むこととなりました。
3点ユニットの狭いワンルームマンションはどうだったかというと・・・
とにかく狭い!
ビジネスホテルの部屋を思い浮かべて頂きたいのですが、ベッドと机と椅子を置くともうスペースがありませんよね。
まさにその状態です(笑
スノボの板にワックスをかけるスペースの確保すら大変でした。
私はスペースの確保のため、ベッドではなくてソファベッドを使ったり、服や靴などは一点買ったら一点捨てるなどしていましたね。
とにかく、部屋がモノで溢れないように工夫して住む必要があります。
掃除が楽!
部屋が狭いので、掃除機掛けなどはあっという間に終わります。
時間が短縮できる
寝る場所、洗面、トイレ、着替えなどの生活動線(移動距離)がとにかく短いので、身支度にかかる時間が圧倒的に短くなります。
3点ユニットバスはすぐ慣れる
一人暮らしなので、風呂とトイレが一緒だろうと別だろうとあまり関係がない事にすぐ気が付きます(笑
最後に、上記に挙げたどの部屋にも当てはまることですが、転居先には新聞の勧誘とNHKの担当者がすぐにやって来ます。
特に新聞の勧誘は動きが早く、引っ越したその日に来る可能性が高いです。
また、都会で一人暮らしをする人は基本的に閉鎖的です。
私は引っ越し先では表札や郵便ポストに名前を掲げ、隣近所に挨拶したい派です。
しかし、そういう人は都会ではごくごく少数派。
ほとんどの人は表札も郵便ポストも空欄のままです。
引っ越しの粗品を持って挨拶に行っても、居留守を使われる始末(笑
特に女性の一人暮らしだと「名前や顔を知られたくない」という心理が働くそうで、挨拶に行っても迷惑がられるのです。
これは防犯上の問題からも仕方ない面はありますね。
以上、過去の引っ越しを振り返りつつ記事にしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
衣・食・住の中でも「住」は特に生活の基礎、基盤となる部分。
部屋選びを失敗してしまうと再転居する可能性が高く、その場合の経済的・精神的負担は計り知れません。
住んでみないとわからない部分も多いですが、事前に知っていれば失敗せずに済むことも多いものです。
この記事が、これから都会で一人暮らしをする方の参考になれば幸いです。
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