最近、いろいろな場所で耳にする「古民家カフェ」。
「古民家」という響きだけで、つい気になってしまいます。
太い梁や柱が残る昔ながらの建物。
そこへ現代的な家具や照明を組み合わせ、落ち着いてコーヒーを楽しめる空間に仕上げる。
新築のおしゃれなカフェとは違い、建物が過ごしてきた時間まで楽しめるのが、古民家カフェの魅力ですね。
そんな古民家カフェが、神奈川県茅ヶ崎市にもあると聞きました。
かなり古い建物を利用しているものの、古さを感じさせないリノベーションによって、おしゃれなカフェになっているとのこと。
出かけたついでに、古民家カフェの新規開拓をするのも悪くありません。
今回訪れたのは、湘南で唯一の酒蔵として知られる熊澤酒造の敷地内にある「mokichi cafe」です。
昔の建物を少し手直しした程度なのか。
それとも、中へ入った瞬間に別世界が広がっているのか。
実際に訪れてみましょう。
茅ヶ崎で150年以上続く「熊澤酒造」
湘南・茅ヶ崎市香川には、1872年、つまり明治5年創業の「熊澤酒造」があります。
明治5年というと、もはや老舗という言葉だけでは少々足りません。
私たちが普段使っている「昔からある店」とは、昔の深さが違います。
熊澤酒造では、日本酒の「天青」や「曙光」、クラフトビールの「湘南ビール」などを造っています。
そして、この会社の社是が非常にユニークです。
よっぱらいは日本を豊かにする。
会社案内へ載せる文章としては、かなり思い切っています。
仕事中に酔っぱらってよいという意味ではないと思いますが、酒を通じて人が集まり、食事や会話を楽しむことを大切にしている会社なのでしょう。
こうした遊び心は、敷地内のレストランやカフェ、ギャラリーの空間づくりにも表れています。
現在の店名は「mokichi cafe」
私が訪れた当時は、「MOKICHI WURST CAFE」という名称で案内されていました。
現在の正式な店名は、シンプルな「mokichi cafe」です。
併設するパン・ソーセージ・スイーツの販売店は、「mokichi baker&sweets+wurst」という名称で営業しています。
名前は少し変わりましたが、築年数の長い建物と、ゆっくり過ごせるカフェの魅力は今も引き継がれています。
【mokichi wurst cafe】神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
mokichi cafeの店舗情報【2026年】
店名:mokichi cafe
旧店名:MOKICHI WURST CAFE
住所:神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
アクセス:JR相模線「香川駅」から徒歩約7分
電話番号:0467-50-0202
営業時間:平日10:00~17:30
土・日曜日・祝日:9:00~17:30
土・日曜日・祝日のモーニング:9:00~10:30
通常メニュー:10:30~16:30
フードラストオーダー:平日17:00、土・日曜日・祝日16:30
ドリンクラストオーダー:17:00
定休日:火曜日
駐車場:有料駐車場あり・店内利用で3時間無料
※2026年7月時点で確認した情報です。火曜日が祝日の場合は営業することがあり、臨時休業もあります。訪問前に公式営業カレンダーや公式SNSをご確認ください。
熊澤酒造の駐車場は2025年から有料化
訪問当時とは異なり、熊澤酒造の駐車場は2025年から有料になっています。
ただし、mokichi cafeやパン店、直売所などを利用すると、駐車料金が3時間無料になります。
会計時に駐車券を提示し、無料処理を受けるのを忘れないようにしましょう。
第1駐車場の通常料金は、10:00~15:00が20分200円、15:00~18:00が60分200円、18:00~翌10:00が60分100円です。
第2駐車場は、10:00~15:00が20分200円、15:00~22:00が60分200円で、22:00以降は駐車できません。
複数の対象店舗を利用した場合は、最大6時間まで無料になる制度もあります。
駐車場の台数には限りがあるため、休日はできるだけ早めの訪問や、公共交通機関の利用も検討してください。
カフェでのんびりしている間に、コーヒー代より駐車料金のほうが高くなる心配は、無料処理をしておけば避けられます。
駐車場の近くには実のなった木
駐車場のすぐそばには、梅のような実がなっている木がありました。
酒蔵や古い建物だけでなく、敷地内には木々や草花が多く、季節によって違った風景を楽しめます。
レストランへ直行するだけでなく、庭や建物を眺めながら歩くのも、熊澤酒造を訪れる楽しみのひとつです。
敷地内にはカフェ以外の施設もある
駐車場から敷地へ入ると、案内図がありました。
熊澤酒造の敷地内には、mokichi cafeだけでなく、複数のレストランやショップがあります。
2026年現在、主に次の施設が営業しています。
・mokichi cafe
・mokichi baker&sweets+wurst
・MOKICHI TRATTORIA
・蔵元料理 天青
・okeba gallery & shop
・蔵元直売所 地下室
MOKICHI TRATTORIAでは、湘南ビールや日本酒と一緒に、石窯で焼いたピッツァや生パスタなどを楽しめます。
蔵元料理 天青は、酒蔵らしい発酵食材や季節の食材を使った和食店です。
okeba gallery & shopでは、湘南地域の作家による器や雑貨、古道具などを販売しています。
少しコーヒーを飲むだけのつもりでも、パン、酒、雑貨、食事と誘惑が多いため、予定より長く滞在する可能性があります。
青森から移築した築約200年の古民家
こちらが目的の古民家カフェです。
以前は「築250年」と紹介されることもありましたが、現在の熊澤酒造公式サイトでは、築約200年の古民家と案内されています。
しかも、もともと茅ヶ崎に建っていた古民家ではありません。
青森県にあった古民家を解体し、湘南・茅ヶ崎へ移築した建物です。
現地で古民家を探して少し改装したのではなく、遠く離れた青森から建物そのものを運んできたというのですから驚きます。
柱や梁には、約200年という時間を過ごしてきた木材が使われています。
建物だけで、私たちよりはるかに長い旅をしてきています。
築約100年の土蔵を利用したパン工房
熊澤酒造では、パンやスイーツ、ソーセージの製造・販売も行っています。
古民家カフェは、併設する「mokichi baker&sweets+wurst」とつながっています。
パン店側の入口はこちらです。
こちらは、築約100年の土蔵を利用しています。
古民家が約200年、土蔵が約100年。
一般的なカフェなら築年数を聞いて少し心配になるところですが、ここでは古いほど魅力が増します。
建物の中へ入る前から、博物館を訪れているような気分になりますね。
パン・スイーツ・ソーセージを販売
入口から中をのぞいてみます。
店内には、焼きたてのパンが並んでいました。
mokichi baker&sweetsは、ビールの製造工程で生まれる栄養豊富なビール酵母を、パン作りに生かせないかという発想から2000年に誕生したそうです。
酒蔵で生まれた素材を、捨てずにパンへ再利用する。
お酒を造ったあとまで、おいしく活用されています。
併設の工房では、パンだけでなく、厳選した肉を使ったソーセージやベーコン、酒粕やモルトを使った焼き菓子も手作りされています。
カフェへ来たつもりが、パンの香りによって予定外の買い物が始まる場所です。
パン店の営業時間【2026年】
平日:10:00~17:30
土・日曜日・祝日:9:00~17:30
定休日:火曜日
電話番号:0467-52-6144
パンは売り切れ次第終了です。
目当ての商品がある場合や、いろいろな種類から選びたい場合は、早めの時間帯に訪れるのがおすすめです。
パン店から階段を下りてカフェへ
パンを販売するフロアから階段を下りると、古民家カフェの空間が広がっています。
外から見た古い建物の印象とは違い、店内は明るく開放的です。
昔ながらの柱や梁を残しつつ、大きな窓、アンティーク家具、ソファ、照明を組み合わせています。
古い建物を無理に新品のように見せるのではなく、古さを魅力として生かしているのがよいですね。
リフォームというより、建物の長所を引き出す再就職といった感じです。
庭を眺められる大きな窓際席
特に印象的だったのが、大きな窓ガラスに面した座席です。
窓の外には、緑の多い庭が広がっています。
こういう席はよいですね。
コーヒーを飲みながら外を眺めているだけで、日常から少し離れた気分になれます。
スマートフォンを見ている時間より、何となく庭を眺めている時間のほうが長くなりそうです。
外から見ると、このようになっています。
建物の外観からは想像しにくいほど、横に大きな窓が設けられています。
古民家の閉じた雰囲気と、現代的な開放感がうまく組み合わされています。
中2階には1組限定の隠れ家のような席
カフェには複数の座席がありましたが、ひとつだけ特に面白いテーブル席がありました。
小さな階段を上り、中2階のような場所へ向かいます。
階段の先には、そこだけ個室のように区切られた空間がありました。
周囲には古い家具や雑貨が並び、少しおしゃれなアンティークショップのようにも見えます。
こちらが、訪問当時利用できた1組限定の隠れ家席です。
写真だけでは、少々構造が分かりにくいかもしれません。
簡単にいえば、カフェ全体の開放感を感じながらも、周囲と少し距離を置いて過ごせる空間です。
完全に扉で閉じられた個室ではありません。
それでも、普通のテーブル席とは違う特別感があります。
秘密基地へテーブルとソファを置き、コーヒーを注文できるようにした感じです。
※席の配置や利用方法は訪問当時のものです。現在も同じ席を利用できるか、席を指定できるかについては店舗へご確認ください。
木に囲まれた空間が落ち着く
席の周囲には、年月を重ねた太い柱や梁が残っています。
木材に囲まれているためか、店内にいるだけで落ち着きます。
ピカピカに磨かれた新品の家具とは違い、傷や色の変化にも味がありますね。
200年前の建物で現代のコーヒーを飲む。
時代の組み合わせはかなりバラバラですが、なぜか自然になじんでいます。
隠れ家席からカフェを見下ろす
中2階の席から下をのぞき込むと、このように見えました。
先ほど紹介した、大きな窓ガラスに面した座席を上から眺められます。
通常のカフェで高い場所からほかの席を見下ろす機会は、ほとんどありません。
店内の構造そのものが面白く、席を移動しながら建物を見学したくなります。
ただし、ほかのお客さんが利用している席へ勝手に入るのは避けましょう。
古民家探検ではありますが、営業中のカフェです。
mokichi cafeの現在のメニュー
mokichi cafeでは、併設工房で作られたパン、ソーセージ、スイーツなどを使った軽食を楽しめます。
2026年7月時点で公式サイトに掲載されている主なフードメニューは、次のとおりです。
・ヴルスト特製BLTサンド:780円
・ヴルスト特製ホットドッグ:650円
・焼きたてクロックムッシュ:730円
・クロワッサンサンド:730円
・自家製キッシュ:600円
・季節のスープ:650円
スイーツには、mokichiのコーヒーゼリーや酒粕ティラミスなど、酒蔵らしい素材を使った商品もあります。
メニューや価格は季節によって変わるため、来店時の最新メニューをご確認ください。
本格的なランチコースというより、パンや軽食、スイーツと飲み物を楽しみながら、ゆっくり過ごすのに向いたカフェです。
しっかり食事をしたい場合は、同じ敷地内のMOKICHI TRATTORIAや蔵元料理 天青を利用する方法もあります。
思わず長居したくなる古民家カフェ
落ち着く席でコーヒーを飲みながら、かなり長い時間を過ごしてしまいました。
「そろそろお帰りください」と言われるのではないかと心配になるほどです。
居心地のよいカフェでは、時間の進み方が少し変わります。
コーヒーを飲み終わっているのに、もう少しだけ座っていたくなる。
店を出る理由が見つからないまま、会話だけが続いていきます。
ただし、休日の混雑時は待っているお客さんがいる場合もあります。
店内の状況を見ながら、譲り合って利用しましょう。
休日に訪れるときの注意点
mokichi cafeや熊澤酒造のレストランは、休日になると多くの人が訪れます。
特に天気のよい日やイベント開催日は、駐車場や店内が混雑する可能性があります。
訪問時は、次の点を意識しておくと安心です。
・休日は早めの時間帯に訪れる
・パンを購入するなら売り切れる前に行く
・火曜日の営業状況を事前に確認する
・駐車券を会計時に提示する
・利用したい席が空いているとは限らない
・敷地内の複数店舗を巡るなら時間に余裕を持つ
土・日曜日・祝日は9:00から営業し、10:30まではモーニングメニューが提供されています。
比較的静かな時間帯を狙いたい場合は、朝の利用もよさそうです。
mokichi cafeがおすすめな人
mokichi cafeは、次のような方におすすめです。
・茅ヶ崎や湘南で古民家カフェを探している方
・歴史のある建物やアンティーク家具が好きな方
・庭を眺めながらゆっくり過ごしたい方
・焼きたてのパンや酒蔵らしいスイーツを楽しみたい方
・熊澤酒造のレストランやショップも巡りたい方
・一般的なチェーンカフェとは違う空間を体験したい方
一方、短時間で食事だけを済ませたい場合や、豊富なランチメニューを求める場合は、同じ敷地内のレストランのほうが向いています。
mokichi cafeは、料理だけでなく、建物と空間を楽しむ場所です。
まとめ|茅ヶ崎で古民家カフェを楽しむならmokichi cafe
茅ヶ崎市香川にある熊澤酒造の「mokichi cafe」は、築約200年の古民家を移築して造られた、個性あふれるカフェでした。
昔ながらの太い柱や梁を残しながら、大きな窓やソファ、アンティーク家具を組み合わせています。
古民家らしい落ち着きと、現代的な開放感の両方を楽しめる空間です。
特に印象に残ったのが、大きな窓から庭を眺められる席と、中2階にある隠れ家のような席。
コーヒーを飲み終わっても、すぐには帰りたくなくなる居心地のよさがありました。
現在はパンやソーセージ、スイーツの工房も併設され、軽食や酒蔵らしいスイーツを楽しめます。
敷地内にはイタリアンレストラン、和食店、ギャラリー、酒の直売所もあるため、カフェだけで帰るのは少々もったいありません。
なお、駐車場は現在有料ですが、カフェやショップを利用すれば3時間無料になります。
会計時に駐車券を提示するのを忘れないようにしましょう。
茅ヶ崎で、普通のカフェとは少し違う場所へ行ってみたい方。
歴史ある木造建築の中で、ゆっくりコーヒーを飲みたい方。
そんな方は、熊澤酒造のmokichi cafeを訪れてみてはいかがでしょうか。
築約200年の古民家なら、少しくらい長居しても大目に見てくれそうです。
もっとも、建物ではなく店員さんの判断になりますが(笑)

















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