今回は、福岡市で長年愛されている生パスタ専門店をご紹介します。
お店の名前は、福岡市早良区にある「パスタフレスカ英(はな)」。
1978年創業で、福岡初の生パスタ専門店として知られる老舗です。
この記事の訪問当時ですでに創業40年ほど。
2026年現在では、まもなく半世紀という領域へ入っています。
パスタ店としては、もはやアルデンテを通り越して歴史までしっかり熟成されています。
長年親しまれてきた自家製生パスタとは、いったいどのような味なのでしょうか。
生パスタとは?乾燥パスタとの違い
「そもそも、生パスタとは何だろう?」
生パスタとは、製麺後に乾燥工程を経ず、水分を多く含んだ状態で調理するパスタのことです。
一般的な乾燥パスタは、麺を乾燥させることで長期保存できるようにしています。
一方、生パスタは乾燥させないため保存期間は短いものの、小麦の風味やもちもちした食感を楽しめるのが特徴です。
元記事では「熱を加えずに作るパスタ」と説明していましたが、より分かりやすくいえば、乾燥させていない生麺のパスタです。
生そばや生うどんと同じように考えると、イメージしやすいでしょう。
生だから茹でずに食べるわけではありません。
そこを間違えると、パスタではなく小麦粉との直接対決になります。
パスタフレスカ英は1978年創業
パスタフレスカ英の歴史は、1978年に始まりました。
創業者が東京の国際見本市で、イタリア製のパスタマシンと出会ったことがきっかけだったそうです。
当時は、日本で「パスタ」という呼び方自体が現在ほど一般的ではなかった時代。
スパゲティといえば、ナポリタンやミートソースを思い浮かべる人が多かった頃でしょう。
そんな時代に、自家製の生パスタ専門店を福岡で始めたのですから、かなり先進的です。
現在では生パスタを提供する店も珍しくありませんが、当時は説明するだけでも一苦労だったかもしれません。
旧店舗のパスタフレスカ英へ到着
さあ、お店へ到着しました。

【パスタフレスカ英】福岡県福岡市早良区原1-15
※上記は訪問当時の旧店舗です。パスタフレスカ英は2021年2月、福岡市早良区原6丁目27-52へ移転しています。
旧店舗の前には、6台ほど停められる駐車スペースがありました。
ただし、真ん中付近へ停める際は少し注意が必要。
上の写真を見ると、建物寄りにも1台分の白線があります。
そこへ車を停められると、中央付近の車が非常に出しにくくなりました。
食事を終えて満足した直後に、駐車場で切り返しを何度も繰り返すことになります。
生パスタはもちもちでも、駐車場で身動きが取れないのは困りますね。
2021年に原6丁目へ移転
パスタフレスカ英は、原1丁目の旧店舗で32年間営業した後、2021年1月31日に同店舗での営業を終了。
同年2月22日から、原6丁目の新店舗で営業を開始しました。
現在の店舗は、イオン原店や家電量販店と同じエリアにあります。
旧店舗のような専用駐車スペースではなく、商業施設の広い駐車場を利用できるため、車で訪れやすくなりました。
以前のように、食後の駐車場で立体パズルへ挑戦する必要もなさそうです。
昭和の純喫茶を思わせる旧店舗
旧店舗の外観は、昔懐かしい純喫茶のような雰囲気でした。

レンガ調の壁や看板、建物の形まで、しっかり昭和の空気を残しています。
店内にテーブル型のインベーダーゲームが置かれていても、まったく不思議ではありません。
この日は開店時間より早く到着しましたが、すでに数組のお客さんが待っていました。
長く営業しているだけでなく、現在進行形で支持されている人気店だったのですね。
旧店舗1階の様子
こちらが旧店舗の店内です。

1階はテーブル同士の間隔がやや狭く感じられました。
人気店なので、限られた空間へできるだけ席を設けていたのでしょう。
隣のテーブルとの距離が近いと少し落ち着かない反面、運ばれてきたパスタがよく見えます。
「あちらの料理もおいしそうだな」
と、注文を終えた後に新たな迷いが生まれる距離です。
旧店舗には2階席もあり、そちらは1階よりゆったりしていたようです。
体育館を思わせる不思議な天井
天井を見上げると、飲食店ではあまり見かけない造りになっていました。

梁が見える高い天井で、どことなく学校の体育館を思い出します。
外観は純喫茶。
天井は体育館。
料理はイタリア。
1つの店内で、かなり国籍と用途が混み合っています。
それでも不思議とまとまりがあり、長く営業してきた店ならではの個性を感じました。
メニューの種類が豊富
こちらが訪問当時のメニューです。


パスタの種類が非常に豊富。
トマトソース、白ワインソース、和風ソース、クリームソースなど、ソースの選択肢も幅広く用意されていました。
スパゲティだけでなく、平たいフェトチーネや筒状のリガトーニなど、料理に合わせて麺の形も変わります。
現在の公式メニューでも、魚介系、トマト系、クリーム系、和風、季節限定など多彩なパスタが掲載されています。
選択肢が多いのはうれしいのですが、空腹時に読むには少し危険なメニューです。
最初のページで決めたはずなのに、後ろのページを開くたびに候補が増えていきます。
おしぼりの置き方まで個性的
テーブルを見ると、おしぼりが少し珍しい状態で置かれていました。

一般的な袋入りのおしぼりを、そのまま置く店が多いですよね。
こちらでは、きれいに形を整えて用意されています。
ほんの小さな部分ですが、店のこだわりを感じます。
使ってよい物なのか、一瞬だけ装飾品なのか迷いました。
テーブルの花は本物
テーブルには花も飾られていました。

造花かと思って確認すると、本物です。
おしぼりの置き方や花、内装など、店主のこだわりが細部に表れています。
昔ながらの店ではありますが、ただ古い物を残しているだけではありません。
独自のセンスで空間が作られていました。
ゴルゴンゾーラのリガトーニを注文
まず注文したのは、「ゴルゴンゾーラのリガトーニ」です。

リガトーニとは、表面に筋が入った太い筒状のショートパスタ。
筒の中や表面の溝へソースが入り込み、濃厚なクリームソースとよく合います。
ゴルゴンゾーラは青カビタイプのチーズなので、独特の香りや塩気があります。
私はチーズがそれほど得意ではないため、少し警戒しながら食べました。
しかし、こちらはゴルゴンゾーラ特有のクセが比較的穏やか。
生クリームによってまろやかになり、思っていたより食べやすい味でした。
青カビチーズが正面から突進してくるのではなく、クリームの後ろから静かに存在を知らせてきます。
現在もゴルゴンゾーラのパスタを提供
ゴルゴンゾーラのパスタは、2026年現在も公式メニューへ掲載されています。
フェトチーネまたはリガトーニから選べ、濃厚な生クリームソースで味わえます。
訪問当時に食べた料理が、移転後の現在も残っているのはうれしいですね。
リガトーニなら、もちもちした弾力と筒状の食感を楽しめます。
平たい麺が好きなら、フェトチーネを選ぶのもよいでしょう。
季節限定のアスパラとベーコンのパスタ
もう1品は、アスパラとベーコンのパスタです。

こちらはレギュラーメニューではなく、訪問時の季節限定パスタでした。
旬のアスパラとベーコンを、白ワインソースで仕上げています。
アスパラのシャキッとした食感。
ベーコンの塩気と旨味。
そこへ白ワインソースの香りが加わります。
白ワインソースのパスタは初めてでしたが、これはなかなかよいですね。
生クリームほど重くなく、和風ソースとも違う軽やかな味です。
アスパラとベーコンという安定感のある組み合わせに、白ワインが少し大人の肩書きを加えています。
創作パスタや季節メニューも魅力
パスタフレスカ英では、定番メニューに加え、旬の素材を使った季節のパスタも提供しています。
訪れる時期によって内容が変わるため、何度行っても新しい料理を試せます。
現在の公式メニューにも、フレッシュトマトやズッキーニ、季節の魚介などを使った料理が掲載されます。
定番を食べるか、期間限定へ進むか。
長年続く店でも、客の決断力は毎回試されます。
生パスタのもちもちした食感
食べていて特に印象的だったのが、麺の食感です。
一般的な乾燥パスタは、歯切れのよいプリッとした食感が特徴。
生パスタは水分を多く含むため、もちもちとして柔らかく、それでいて弾力があります。
ソースが麺へよく絡むのも、生パスタの魅力。
特にクリームソースや濃厚なチーズソースでは、麺とソースの一体感を強く感じます。
パスタというより、少し洋風のうどんへ近いと感じる方もいるかもしれません。
ただし、うどんにゴルゴンゾーラをかけても、同じ料理にはならないでしょう。
食後はデザートとコーヒー
パスタを食べ終えた後は、デザートとコーヒーを注文しました。

濃厚なパスタの後に、甘いデザートとコーヒー。
食事をゆっくり締めくくれます。
パスタだけを食べて帰ることもできますが、昔ながらの喫茶店のような雰囲気だった旧店舗では、食後のコーヒーまで注文したくなりました。
現在の店舗でも、ジェラートやムース、ティラミス、パンナコッタなどのデザートが提供されています。
現在の店舗は旧店舗と雰囲気が異なる
2021年に移転した現在の店舗は、旧店舗の昭和レトロな一軒家とは雰囲気が変わっています。
明るく開放感があり、テーブル席に加えてカウンター席やテラス席も用意されています。
テラス席は、事前予約をすればペット同伴で利用可能です。
旧店舗の個性的な建物を懐かしく感じる方もいると思いますが、現在は駐車しやすく、1人から家族連れまで利用しやすい店になりました。
テイクアウトにも対応
パスタフレスカ英では、パスタのテイクアウトにも対応しています。
茹でた状態で持ち帰る方法のほか、生パスタと完成したソースを分けて受け取り、自宅で仕上げる方法もあります。
生パスタは時間がたつと食感が変わりやすいため、すぐに食べられない場合はセパレート方式が便利です。
自宅で麺を茹で、ソースを温めて合わせれば、店に近い状態で楽しめます。
料理の最後だけ自分で担当するため、少しだけシェフ気分も味わえます。
失敗しても、ソースの責任にはできません。
予約や混雑について
パスタフレスカ英は現在も人気が高く、昼食時や週末には待ち時間が発生することがあります。
公式サイトには電話番号が掲載されているため、人数が多い場合やテラス席を希望する場合は、事前に問い合わせると安心です。
予約の受付条件は日程や席によって変わる可能性があります。
特に土日祝日は、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
パスタの茹で時間は短くても、入店待ちまで短いとは限りません。
2026年版・パスタフレスカ英の店舗情報
店舗名:パスタフレスカ英(はな)
現在の住所:福岡県福岡市早良区原6丁目27-52
旧住所:福岡県福岡市早良区原1丁目15
電話番号:092-822-5511
営業時間:11:00~21:00
ラストオーダー:20:00
定休日:木曜日
創業:1978年
移転日:2021年2月22日
駐車場:商業施設の共用駐車場を利用可能
座席:テーブル席、カウンター席、テラス席など
ペット同伴:テラス席のみ。要予約
テイクアウト:対応
主なパスタ:トマトソース、白ワインソース、和風、クリーム、エッグクリーム、季節限定など
ゴルゴンゾーラのフェトチーネ/リガトーニ:1,540円(税込)
営業時間、臨時休業、価格、メニュー内容、予約条件は変更される場合があります。
訪問前に公式サイトや公式Instagramで最新情報をご確認ください。
まとめ|半世紀近く愛される自家製生パスタ
福岡市早良区の老舗「パスタフレスカ英」で、自家製生パスタを味わいました。
1978年に開業し、福岡で生パスタを広めてきた専門店です。
訪問時に食べたゴルゴンゾーラのリガトーニは、濃厚でありながらチーズのクセが穏やか。
チーズがあまり得意ではない私でも、食べやすく感じました。
季節限定のアスパラとベーコンのパスタは、白ワインソースの軽やかな味と、もちもちした生パスタがよく合います。
乾燥パスタにはない弾力と、小麦の風味を楽しめる一皿でした。
なお、記事の写真に写っている原1丁目の旧店舗は、2021年に営業を終了しています。
現在は原6丁目へ移転し、広い駐車場を備えた新店舗で営業中です。
旧店舗の純喫茶のような雰囲気はなくなりましたが、創業以来の自家製生パスタと豊富なメニューは受け継がれています。
生パスタと乾燥パスタは、どちらが上というものではありません。
プリッとした乾麺もよいですが、たまにはもちもちの生パスタも食べたくなります。
福岡で長く愛されてきた味を確かめたい方は、新しくなったパスタフレスカ英を訪れてみてください。
メニューが多いため、注文を決めるまでには、パスタを茹でる時間以上かかるかもしれません。

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