日本式の朝食といえば、白いご飯に焼き魚、味噌汁、漬物といった組み合わせが定番でしょうか。
旅館の朝食でこの一式が並んでいると、普段より少し立派な人間になったような気分になります。
しかし、国が変われば朝食の内容も変わるもの。
台湾にも、日本とは異なる独自の朝食文化があります。
台湾の街では早朝から朝食店が営業し、豆乳、蛋餅、飯糰、焼餅、油條などを食べてから仕事や学校へ向かう人も少なくありません。
旅行中、宿の朝食だけで済ませてしまうのは少しもったいない。
そこで今回は、台北の人気店で台湾式の朝ごはんを体験してみました。
台湾の朝食文化とは?
台湾では、朝食を自宅で作らず、近所の朝食店や屋台で購入する人も多いそうです。
店内で食べる人もいれば、料理を袋へ入れてもらい、会社や学校へ持って行く人もいます。
日本のコンビニ朝食に近い手軽さがありますが、注文してから焼いたり包んだりしてくれる料理が多いのが特徴。
豆乳と蛋餅だけで軽く済ませることもできますし、飯糰や大根餅、小籠包などを追加して、しっかり食べることもできます。
朝はあまり食べられない人から、起床直後でも全力を出せる人まで受け入れる、間口の広い食文化です。
台北の人気朝食店「世界豆漿大王」へ
今回訪れたのは、台北市中山区にある「世界豆漿大王(シージエ・ドウジャン・ダーワン)」です。
地元の住民だけでなく、日本人を含む観光客にも知られている台湾式朝食店。
豆漿、飯糰、蛋餅、大根餅、饅頭など、台湾の定番朝食を一通り味わえます。
【世界豆漿大王】台北市林森北路310巷27号
MRT雙連駅や中山國小駅から、徒歩でアクセスできる場所にあります。
大通り沿いではなく、林森北路から少し入った路地にあるため、初めての場合は地図を見ながら向かうと安心です。
朝食店を探して路地を歩いていると、少し現地住民になったような気分も味わえます。
地図を見失うと、単に朝から迷子になっている旅行者へ戻ります。
豆漿とは台湾式の豆乳
店名にも入っている「豆漿(ドウジャン)」とは、豆乳のことです。
ただし、日本で市販されている調整豆乳や無調整豆乳とは、味や飲み方が少し異なります。
台湾では、温かい豆漿や冷たい豆漿を朝食と一緒に飲むのが定番。
砂糖を加えた甘い豆漿だけでなく、砂糖を入れない無糖タイプも注文できます。
さらに、お酢やしょうゆ、ザーサイ、干しエビ、油條などを加えて固めた「鹹豆漿(シェンドウジャン)」という塩味の料理もあります。
同じ豆乳でも、甘い飲み物から食べるスープまで担当する万能選手です。
世界豆漿大王の店内へ
それでは、店内へ入ってみましょう。
台湾のローカル食堂らしい、気取らない雰囲気です。
豪華な装飾や、おしゃれなカフェ風の内装ではありません。
料理を注文して、席へ座り、食べ終わったら帰る。
朝食を素早く済ませるための、実用性を重視した店内です。
厨房では次々に料理が作られ、店員さんが手際よく動いています。
朝からこの動きを見ていると、こちらも少し働いたような気分になります。
実際には、椅子へ座って料理を待っているだけです。
混雑する時間を避ければ入りやすい
今回は、朝食の混雑時間を少し外して訪れました。
そのため、店内は比較的空いています。
世界豆漿大王は地元客にも観光客にも人気があるため、朝の通勤・通学時間帯には混雑することがあります。
ゆっくりメニューを見たい方や、写真を撮りながら食べたい方は、ピークを外すのがおすすめです。
ただし、遅い時間に訪れると朝営業が終了している可能性もあります。
混雑を避けようとして、朝食そのものまで避けてしまわないよう注意しましょう。
台湾式おにぎり「飯糰」を注文
まず注文したのが、台湾朝食の代表格ともいえる「飯糰(ファントゥアン)」です。
見た目は、かなり大きな俵形のおにぎり。
日本のおにぎりは三角形や丸形が多いですが、台湾の飯糰は細長い形にまとめられています。
持ってみると、見た目以上にずっしり。
朝食の一品というより、これだけで昼前まで活動できそうな重量です。
飯糰を一口食べてみる
一口かじって、中身を確認してみました。
日本のおにぎりとは、かなり雰囲気が違います。
ご飯の中央に具材が1種類だけ入っているのではなく、複数の具を包み込んだ構造。
どちらかといえば、海苔を使わない太巻きに近いかもしれません。
外から見ると普通の白いご飯ですが、中には小さな朝食会場が広がっています。
飯糰のご飯はもち米
飯糰には、一般的にもち米が使われます。
日本の白米より粘りが強く、噛むともっちり。
具材を包み、手で持って食べても崩れにくいのが特徴です。
もち米なので腹持ちもよく、忙しい朝の食事に向いています。
ただし、見た目以上にお腹へたまります。
最初に飯糰を完食すると、その後に並ぶ料理が急に強敵へ変わります。
飯糰の中には具材がたっぷり
訪問時の飯糰には、玉子焼き、肉鬆、高菜、切り干し大根のような漬物などが入っていました。
肉鬆(ロウソン)は、豚肉などを細かくほぐして甘辛く味付けし、水分を飛ばした食品です。
見た目は、おかかや細かい綿のよう。
台湾では飯糰やお粥、パンなど、さまざまな料理に使われます。
肉鬆の甘辛さ。
漬物の塩気と歯応え。
玉子焼きのまろやかさ。
そこへ、もち米のもっちり感が加わります。
一口ごとに複数の味と食感が混ざり、最後まで飽きません。
油條が入る飯糰もある
台湾の飯糰には、油條(ヨウティアオ)と呼ばれる揚げパンを包むタイプもあります。
柔らかいもち米の中へ、カリカリした油條を入れることで、食感に変化が生まれます。
時間がたつと油條が少ししんなりしますが、それもまた飯糰らしい食感。
ご飯の中へ揚げパンを入れるという発想は、日本人には少し意外かもしれません。
炭水化物で炭水化物を包む、非常に頼もしい朝食です。
飯糰は台湾のファストフード
台湾では飯糰を店内で食べるだけでなく、テイクアウトして職場や学校へ持って行く人もいます。
片手で持ちやすく、具材も多く、腹持ちがよい。
日本のおにぎりや、サンドイッチに近いファストフード的な存在なのでしょう。
忙しい朝でも、もち米、卵、肉、漬物をまとめて食べられます。
栄養バランスを1本の中へ詰め込もうとする、台湾朝食の収納力には感心します。
大根餅も注文
続いて、訪問時に人気メニューとして紹介された「大根餅」を注文しました。
中国語では、「蘿蔔糕(ルオボーガオ)」と呼ばれます。
表面はこんがり焼かれ、平たい四角形。
日本で「餅」と聞いて思い浮かべる、伸びる白い餅とは見た目が違います。
大根餅には本当に大根が入っている?
名前のとおり、大根餅には大根が使われています。
すりおろした大根や千切りの大根へ、米粉やでんぷんなどを混ぜ、蒸し固めたものを切って焼く料理です。
ただし、食べても大根の形や強い味を感じるとは限りません。
大根の水分やほのかな甘みが生地へなじんでいるため、
「これは確かに大根だ」
と分かりやすく主張してくる料理ではないのです。
名前は大根餅ですが、大根側は意外と控えめな性格です。
大根餅は外側が香ばしく中はもちもち
表面は鉄板で香ばしく焼かれ、中はもっちり。
訪問時には、チヂミに近い食感だと感じました。
しかし、チヂミより厚みがあり、生地はより滑らか。
そのままでも食べられますが、しょうゆだれや甘辛いソースを付けると味が引き締まります。
朝食としてはもちろん、小腹が空いたときの軽食にも向いていそうです。
台湾式クレープ「蛋餅」
こちらは、台湾朝食の定番「蛋餅(ダンビン)」です。
小麦粉やでんぷんなどで作った薄い生地へ卵を合わせ、鉄板で焼いた料理です。
日本では、「台湾式クレープ」と説明されることがあります。
ただし、甘いデザート系のクレープではありません。
卵の塩味を楽しむ、おかず系の朝食です。
蛋餅の食感は店によって異なる
蛋餅の生地は、店によってかなり違います。
薄くて柔らかいクレープのようなタイプ。
表面をカリッと焼いたタイプ。
でんぷん質が多く、もちもちしたタイプ。
世界豆漿大王の蛋餅は、適度な弾力があり、卵と生地が一体になっています。
食べやすい大きさに切られているため、箸でつまんでいただけます。
生地と卵だけのシンプルな料理ですが、焼きたては香ばしく、朝食にぴったりです。
チーズやコーン入りの蛋餅もある
蛋餅は、プレーンタイプだけでなく、チーズ、コーン、ツナ、ハムなどを加えた物もあります。
初めてなら、まずは原味と呼ばれるプレーンタイプがおすすめ。
基本の味を知ったうえで、好みの具材を追加すると違いが分かりやすいでしょう。
チーズ入りはコクが増し、コーン入りは甘みが加わります。
朝食から具材選びに迷えるのも、旅行中のぜいたくです。
甘い豆漿を飲んでみる
そして、こちらが店名にも入っている「豆漿(ドウジャン)」です。
今回注文したのは、砂糖を加えた甘い豆漿。
温かい状態で提供されました。
日本の豆乳があまり得意ではないため、最初は少し不安でした。
台湾の豆漿は日本の物と味が違うと聞き、試してみることにします。
台湾の豆漿は日本の豆乳より飲みやすい?
飲んでみると、ほのかに甘く、想像していたより飲みやすい。
訪問時には、砂糖を入れたホットミルクのような味だと感じました。
日本の無調整豆乳にある、大豆の青っぽい香りや濃さは比較的穏やか。
もちろん店や作り方によって味は違いますが、豆乳が苦手な人でも試しやすいかもしれません。
砂糖入りなので、料理と飲み物の中間ではなく、飲むデザートのようにも感じます。
朝から甘い物が欲しい人には、ちょうどよい一杯です。
甘くない豆漿も注文可能
甘い豆漿が苦手な方は、砂糖を入れない無糖タイプを選べます。
注文時には、
甜豆漿:甘い豆乳
無糖豆漿:砂糖なしの豆乳
などを確認するとよいでしょう。
冷たい物と温かい物を選べる店もあります。
夏の暑い朝なら冷たい豆漿。
冷房や冬の朝で体が冷えているなら、温かい豆漿がよさそうです。
鹹豆漿は飲み物ではなく豆乳スープ
豆漿メニューには、塩味の「鹹豆漿」もあります。
温かい豆乳へ酢やしょうゆを加えると、豆乳が柔らかく固まり、おぼろ豆腐のような状態になります。
そこへザーサイ、干しエビ、ネギ、油條などを加えた料理です。
見た目は豆乳というより、具入りの朝食スープ。
甘い豆漿とは、まったく別の料理と考えたほうがよいでしょう。
甘い飲み物のつもりで注文すると、器の中で豆乳が固まっていて驚くかもしれません。
豆乳側の失敗ではなく、最初からその状態が正解です。
台湾の豆漿はなぜ朝食に合う?
豆漿は、飯糰、蛋餅、油條、饅頭など、台湾の朝食と相性がよい飲み物です。
揚げ物やもち米を食べた後でも、豆乳の優しい味で口の中が落ち着きます。
植物性たんぱく質を含み、朝食の栄養を補えるのも魅力。
日本の朝食で味噌汁を飲むように、台湾では豆漿を合わせる感覚なのかもしれません。
味噌汁へ砂糖を入れることはありませんが、そのあたりは国の食文化の違いです。
世界豆漿大王の注文方法
注文方法は、店頭で料理を指さしたり、注文票へ数を記入したりする形式です。
訪問時には、日本人観光客も利用しやすい雰囲気でした。
日本語メニューが用意されているという紹介もあります。
ただし、常に同じ形式とは限らないため、写真や翻訳アプリを用意しておくと安心です。
料理名の漢字が分からなくても、実物を指させば注文できることがあります。
台湾の朝食店では、言葉の正確さより、食べたい物を示す積極性のほうが役立つ場面もあります。
店内飲食とテイクアウト
世界豆漿大王では、店内で食べるだけでなく、料理を持ち帰ることもできます。
店内飲食は「內用(ネイヨン)」。
持ち帰りは「外帶(ワイダイ)」です。
飯糰や蛋餅は持ち帰りやすく、宿へ戻って食べるのにも向いています。
ただし、蛋餅や大根餅は焼きたてのほうが香ばしく、食感もよいでしょう。
席が空いているなら、その場で食べるのがおすすめです。
現金を用意しておくと安心
現在の店舗情報では、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済は利用できないと案内されています。
少額の台湾元を用意しておきましょう。
朝食メニューは比較的手頃なので、1,000台湾元札だけではなく、100台湾元札や硬貨があると会計がスムーズです。
朝から高額紙幣を出し、店員さんとお釣りの相談を始めるより平和です。
営業時間は訪問前に確認を
世界豆漿大王の営業時間については、掲載されている情報に違いがあります。
店舗情報サイトでは、
朝:6:00~11:30
夜:18:00~23:30
定休日:無休
と案内されています。
一方、近年の訪問情報には、朝営業のみで月曜日が休みという記載もあります。
営業日や夜営業が変更された可能性もあるため、特に夕食や夜食目的で訪れる場合は注意してください。
朝食を食べに行く場合も、Googleマップの最新情報や電話で確認するのが確実です。
朝早く起きて店まで歩き、シャッターだけを眺める体験は、台湾文化として予定に入れなくてよいでしょう。
世界豆漿大王と永和の同名店は別店舗
台湾には、「世界豆漿大王」や「永和豆漿大王」など、似た名前の豆漿店が複数あります。
検索すると、新北市永和区にある24時間営業の「世界豆漿大王」が表示されることもあります。
この記事で訪れたのは、台北市中山区林森北路310巷27号の店舗です。
住所を確認せずに向かうと、別の街にある同名店へ到着する可能性があります。
同じ名前でも、台湾旅行では距離がかなり大胆に離れていることがあります。
雙連朝市や中山エリアと組み合わせやすい
世界豆漿大王は、雙連駅や中山エリアからアクセスできます。
朝食後に雙連朝市を歩いたり、中山エリアの商業施設やカフェを回ったりする旅行プランにも組み込みやすいでしょう。
朝食をしっかり食べた後に市場へ行くと、おいしそうな総菜や果物が次々に現れます。
胃袋が満席でも、目から新規注文が入るのが台湾旅行です。
初めて注文するならおすすめの組み合わせ
初めて台湾朝食を食べるなら、次のような組み合わせがおすすめです。
軽めに食べたい場合
・蛋餅
・甘い豆漿または無糖豆漿
しっかり食べたい場合
・飯糰
・大根餅
・豆漿
台湾らしい料理へ挑戦したい場合
・鹹豆漿
・油條
・蛋餅
飯糰は見た目以上に量があるため、複数の料理を食べたい場合は同行者と分けるのがおすすめです。
朝食だから軽く済むだろうと油断すると、昼食の予約へ影響が出ます。
2026年版・世界豆漿大王の店舗情報
店舗名:世界豆漿大王
住所:台湾台北市中山区林森北路310巷27号
電話番号:02-2567-3115
アクセス:MRT雙連駅または中山國小駅から徒歩圏内
営業時間の掲載例:6:00~11:30、18:00~23:30
定休日:無休とする情報と、月曜日休業の情報あり
予約:基本的に予約不可
座席:テーブル席
主な料理:豆漿、鹹豆漿、飯糰、蛋餅、大根餅、焼餅、油條、饅頭、小籠湯包など
テイクアウト:可能
支払い:現金を推奨。カード・電子マネー・QRコード決済不可の案内あり
日本語メニュー:用意されているとの情報あり
営業時間、定休日、価格、メニュー、支払い方法は変更される場合があります。
訪問前にGoogleマップの最新情報や電話で営業状況をご確認ください。
世界豆漿大王はこんな人におすすめ
世界豆漿大王は、次のような方におすすめです。
・台湾の定番朝食を一度に試したい方
・観光客向けのホテル朝食以外も体験したい方
・飯糰や蛋餅を食べてみたい方
・豆乳が苦手でも台湾の豆漿を試したい方
・手頃な価格でローカルな食堂を利用したい方
静かなカフェで優雅に朝食を楽しみたい方には、少し慌ただしく感じるかもしれません。
一方、地元の生活に近い朝食文化を体験したい方にはぴったりです。
まとめ|飯糰・蛋餅・豆漿で台湾らしい朝食を体験
台北の「世界豆漿大王」で、台湾式の朝食を味わいました。
飯糰は、もち米の中に玉子焼き、肉鬆、漬物などを包んだ台湾風おにぎり。
日本のおにぎりより具材が多く、見た目以上にボリュームがあります。
大根餅は表面が香ばしく、中はもっちり。
蛋餅は薄い生地と卵を焼いた、台湾式のおかずクレープです。
甘い豆漿は、日本の豆乳より大豆のクセが穏やかに感じられ、豆乳があまり得意ではない私でも飲みやすい味でした。
台湾の朝食店には、宿のビュッフェでは味わえない生活感があります。
店員さんが鉄板で料理を焼く音。
出勤前の人が手早く食事を済ませる様子。
持ち帰りの袋を受け取って、街へ出ていく人たち。
料理だけでなく、台湾の朝の日常まで体験できるのが魅力です。
台北を訪れたら、1日くらいは宿の朝食を休み、街の豆漿店へ出かけてみてください。
飯糰、大根餅、蛋餅、豆漿。
気になる物をすべて注文すると、昼食まで休みになる可能性はあります。












魔王さま
台湾グルメは安くて美味しいものが多いですよ😀
豆乳は飲み慣れていないせいか好んでは飲みませんが、台湾のは大豆感が弱くて飲みやすかったです😀
これは美味しそうですねー
食べてみたいですw
韓国海苔巻きは、川崎で食べた事がありますw
それは美味しかったですw
日本のとは全く違いごま油が入っていた気がしました。
豆乳苦手なんですかぁ自分は結構好きで呑んでいますよ時々(笑)
甘いのですか?甘くないのを飲んでみたいですねー